○ 境界特性その4
次の特性は 最も重要なものです。
『自分自身の境界に 責任を持つことによって、 被害者であることをやめましょう。
境界に BPDの人がどう反応するかについては、 彼ら自身に責任を持たせます。
それによって、 BPDの人が自分自身を救う 機会を与えるのです。』
自分の決断は自分のものである という考えは、 非常に強力です。
できごとにどのように反応するかは、 多様な選択肢があると認識できます。
家族は、 BPDの人ができないことと、
できること (できるけれどもする必要がない、 と本人が望むこと) を
区別しなければなりません。
境界を設定することで、 人はより大きな責任を担い、
BPDの人が 自分の中に適切な境界を持つよう 動機づけられるのです。
BPDの人を、 その行動の結末から 保護してはいけません。
壁に突き当たるのは必要なことです。
家族がBPDの人を救った 結果は複雑です。
第1に、 問題行動がしつこく続くことになります。
BPDの人が 何らかの報酬を得たからです。
第2に、 家族は本人をかばうなかで、 犠牲を払ったことに憤慨するでしょう。
この場合、 家庭内の緊張が高まります。
第3に、 BPDの人は この行動を家庭外で示し始め、
より大きな被害と損失を 目の当たりにすることがあります。
現実世界への準備を させないままにしてしまうのです。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕