「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

診断基準3. 同一性障害 (不安定な自己像または自己感),  診断基準7. 慢性的な空虚感 (2)

2012年09月21日 22時43分58秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○ 充分によいということがあり得ない

 ボーダーの人の中には 成功を治める人もいます。

 それでも 充分によいということがないと 感じています。

 自分のことを、 セリフを暗唱している 俳優のように感じることがあります。

 観客がいなくなれば、 存在しなくなるのです。

・ 自分自身の価値が、 最近何をしたか、 またはできなかったかに 基づいている

・ 何をしても、 決して充分でない

・ 自分が無力な被害者だとみなす

○ 被害者の役割

 ボーダーの人の中には、

 同情を寄せてもらえるために 被害者の役割を演じる人がいます。

 損害を被っているのは 自分が原因だということを 認識しません。

 被害者であることで アイデンティティが得られると 思っているかもしれません。

 被害者の役割は、 自分の行動に 責任を持たなくてもいいという 幻想を与えます。

 虐待された人なら、 虐待のシナリオを再演するかもしれません。

○ 援助者の役割

 援助者, 世話焼きという役割を 行なうこともあります。

 ポジティブな役割で、 自己同一性が与えられ、 空虚感を和らげられます。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕