「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

便秘の解消で 認知症が穏やかに

2010年07月20日 20時35分32秒 | 介護帳
 
 認知症グループホームにいる 95才の女性は、

 むやみに 服を脱ぎたがるようになりました。

 秋で 暑いわけでもなく、 職員が止めると 怒って抵抗します。

 職員が介護記録を見るうち、 服を脱ぎたがるのは、

 3~4日間 排便のないときと重なっていることに 気付きました。

 そこで トイレの回数を増やしたり、 どうしようもないときは 便秘薬を使うと、

 女性の行動は治まり、 表情も穏やかになりました。

 認知症の人は、 体に不快感があっても それが何か分からず、

 徘徊したり、 大声を出したりの行動で 訴えることが多いのです。

 不快感を引き起こす原因は、 脱水症状, 持病の悪化,

 薬の副作用などがありますが、 見逃されがちなのが 便秘だといいます。

 ある施設では、 徘徊などの行動の 6割が、 便秘の解消で解決しました。

 認知症の人の便秘は、 便意を我慢したり させられたりするうち、

 便を溜めこむようになる  「習慣性便秘」 が多いといわれます。

 解消するには、水分や食物繊維の 摂取だけでは不充分です。

 便秘薬は副作用があるし、 摘便は 肛門や直腸を傷つけるので

 なるべく避けたいものです。

 大切なのは、 便意の有無に拘らず、 朝食後 トイレに座って 踏ん張る習慣です。

 朝食後は 胃腸が活発に働いて、 最も便が出やすいのです。

 それに合わせて、 排便のリズムを 身に着けると良いでしょう。

 もちろん それ以外のときも、 便意のそぶりがあれば、

 すぐトイレに行くことが大事です。

〔 読売新聞 医療ルネッサンス 「あきらめない認知症」 より 〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする