「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害を 改善する

2010年03月07日 23時04分05秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 しばらくお休みしていた、

 岡田尊司氏の 「境界性パーソナリティ障害」 の紹介です。

 境界性パーソナリティ障害を 改善していく上で、 大切なことを記していきます。

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 まず、 十分に支えられ、 安心感を持つことです。

 しかし そこに留まり続けていても、 なかなか 次の変化が生まれません。

 支えると同時に、 改善に向けて 変化させていく 働きかけが必要です。

 境界性パーソナリティ障害の人は、 様々な問題で 心身ボロボロになり、

 失敗を繰り返して 自信と希望を失っています。

 それを 立て直していくには、 冷静さや技術だけではなく、

 ハートに働きかけ、 奮い立たせることが必要です。

 弁証法的行動療法を開発した リネハンは、

 それを 「チアリーディング戦略」 と 呼んでいます。

 大声で叫んだり、 命令したり、 おだてたり、 甘いことを言ったり、

 懇願したり、 脅したり、 気をそらせたり、

 すべてを 適切な文脈で、 適切な調子で 行なう手法です。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 僕は心子には、 受容することを 旨としていたので、

 充分に支えることは していたつもりです。

 心子は 具合のいいときは、 安心感を持っていたと思います。

 しかし、 その先に進むことは 当時はできませんでした。

 その方法も 分からなかったし、 受け入れることだけで 精一杯でした。

 落ち込んでいるときは、 抱擁したり、 手助けしたりすることはできても、

 怒っているときには、 どんなチアリーディング戦略を 行なっても、

 通じなかったでしょう。