「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

強迫性の強いタイプ -- 妥協できない優等生

2009年11月28日 08時09分32秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 生真面目で潔癖で、 妥協できない性格は、 強迫性パーソナリティと呼ばれます。

 努力家で 滅多に弱音を吐かず、 親が安心するような 優等生です。

 自分に厳しく、 完璧を求めすぎ、 それができないと焦ってしまいます。

 このタイプの人は、 きちんとした両親に 厳しく育てられています。

 子供は 良い子になることを 求められすぎて、 親に支配されています。

 全て 親から与えられた価値観で 生きてきたのです。

 こうした子が 思春期や青年期を迎えたとき、

 与えられたものに 違和感を覚え始めます。

 それは 自分自身を確立しようとする 営みなのですが、

 親にはそれが 自分たちの期待を裏切るように 見えてしまいます。

 本人は 今までやってきたことに 疑問を感じつつも、

 新たに自分を 築き直す自信もありません。

 このタイプの人が 境界性パーソナリティ障害をきたす場合、

 勤勉な努力家だった子供が、 急に投げやりな 怠け者になり、

 悪いことに手を染めたり、 親を失望させることを し始めます。

 摂食障害を 伴うことがありますが、

 完全主義や 人の評価を気にする 傾向が、 しばしば影響しています。

 別人のように 性格が逆転してしまったように 見えますが、

 積もり積もった無理が 爆発してしまったのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子の父は 厳しくて支配的だったようですが、 心子は普段は、

 怠け者だったり 悪事を働いたりすることは、 全くありませんでした。

 頑張りすぎるほど 頑張り屋であり、 決して 妥協というものをしませんでした。

 しかし 一旦落ち込むと、 引きこもって 何もできなくなってしまったり、

 全ては無駄だと 投げ出してしまったりします。

 摂食障害もありましたが、

 父親から与えられた 完全主義的な価値観が 影響していたのでしょうか。

 BPD発症以降、 性格が逆転した ということではないようですが、

 父親から厳格に 躾けられた故の、

 潔癖で優等生の 側面はあったのだろうと思います。

 ただ 母親は心子に 厳しくしなかったので、

 典型的なタイプとは 言えないかもしれません。
 


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