「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

光市母子殺害事件 差し戻し審判決 (4)

2008年04月24日 00時27分20秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53894384.html からの続き)

 今回の死刑判決という 量刑がどうだったか、僕は何とも言えない 思いがあります。

 僕は元々は 死刑制度廃止の立場ですから、死刑判決は 好ましくないと思っています。

 しかし 客観的状況から見れば、元少年の新供述が 認められない場合は、

 死刑しかないだろうという 予想は当然ありました。

 また、本村さんに 感情移入してしまっているので、

 彼の望みに沿った判決を 求める気持ちが、内心あったのも 事実だと思います。

 僕は今まで 死刑廃止と共に、被害者または遺族の傷を 癒すためのサポートシステムと、

 加害者更生のためのプログラムを、強く主張してきました。

( カテゴリー 「死刑制度と癒し」 参照

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/folder/1487258.html?m=l )

 けれども、それらが まだ実現しておらず、

 被害者の慰謝や 加害者の更生が 期待できない現時点においては、

 死刑という法定刑がある以上、それを選択せざるを 得ないのかもしれません。

 ただし、もしも これを判例として、今後 厳罰化傾向が進んでいくとしたら、

 それはとても遺憾なことだと 個人的には思います。

 本村さんは 自分の影響があるとしたら、

 十字架を背負っていかなければならない と述べていました。

 一方で、判例主義は厳に慎み、

 個別の事件ごとに判断していくべきだ とも言っています。
 

 本村さんは会見で、死刑という刑罰について問われ、次のように述べていました。

「 刑法は 社会秩序を維持する,安全な社会を作るための 手段だと思う。

 どうすれば、被害者も加害者も生まない 社会を作れるのか、

 死刑という残虐な判決を 下さなくて済むのか、

 それを考える 契機にならなければ、妻子も被告も犬死にだ。

 死刑というものがあったから、今回の事件が ここまで人々の注目を集め、

 考える機会を 作ることができた。 」

 元少年の人格形成には、彼の養育環境が 大きく影響しているでしょう。

 育児放棄や虐待などが、共感や思いやりの感情を 育むことを妨げ、

 犯罪を犯す少年を生むことに 繋がってしまうケースがあります。

 パーソナリティ障害も同様に 養育歴が深く関わり、

 それは大人の責任、とりもなおさず 社会の責任です。

 今後の社会を どうしていくか、我々に問われていることでしょう。

 死刑制度の必要のない 社会システムが、

 何とか実現していってほしいと 強く願っています。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53921569.html