「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

同一性障害 (2)

2008年04月16日 23時32分12秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53771562.html からの続き)

 BPDの同一性障害を、4つの要素に分ける 研究者もいます。

1.役割吸収

2.苦しい矛盾

3.一貫性の欠如

4.責任感の欠如

 「役割吸収」 というのは、特定の役割や価値観に 自分を合わせてしまうことです。

 カリスマ性のある指導者に やみくもに従い、

 自分を捨てて カルト集団の中で 役割に没入したりします。

 「苦しい矛盾」 は、喪失感と空虚感から くるものです。

 適応しようとした努力が 無駄になったとき、

 現実感がないと感じたり、自分をうそっぽく 感じたりします。

 ダイアナ元妃は 常に寂しさ,空虚感,退屈を感じていたといいます。

 性的虐待を受けた体験と 高い相関関係があります。

 「一貫性の欠如」 は、カメレオンのように 周囲に染まり、

 意見や価値観を その場に合わせるものです。

 本人の苦悩は それほどありません。

 「責任感の欠如」 は、目標や興味を持続させることの 難しさを表しています。

 仕事や学問の興味が しばしば変わったり、離婚と結婚を 繰り返したりします。



 自己感を確立するためには、次のようなことが有効です。

・色々なグループ活動に参加し、相互関係や 目的に向けた努力,責任を身に付ける。

・課題をやり終えるとか、仕事は任期まで務めるとか、最後までやり遂げることを学ぶ。

 それによって 感情の忍耐力が鍛えられる。

・矛盾から逃げずに 受け止める。

 理想が常に満足させられる と期待しない。

 “一流の知性とは、相反する考えを 同時に受け入れることである。”

・広い視野を持って、失敗しても プラスとマイナスの両方を よく見つめ、

 すぐに投げ出したりしない。

 がっかりしながらも 続けることができれば、同一性を確立中ということ。

〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕