「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

光市母子殺害事件 判決公判を前に

2008年04月21日 11時15分49秒 | 光市母子殺害事件
 
 いよいよ明日 4月22日午前10時、広島高裁で 控訴審判決が言い渡されます。

 この差し戻し審になって、初めて 弁護側から出された “傷害致死” という主張が、

 果たして どのように判断されるのか、極めて注目されます。

 判決を前に、本村さんが会見を開きました。

(明日は 判決に対する 会見になるだろうから、

 この9年間の 思いを語るには その前にという趣旨で。)

 本村さんは 一審の無期懲役判決後、

 「私がこの手で殺す」 と訴えて 物議をかもしました。

 会見で本村さんは、これは不適切だった と述べました。

 自分は私人ではあるが、メディアの前で 発言すると決めた以上、

 ある限度や わきまえを持たなければいけない、それを逸脱したものだったと。

 しかし、この発言は 極めて重要で貴重なものだったと 僕は思います。

 僕は死刑制度廃止の立場ですが、この本村さんの魂の訴えは 重く深く響きました。

 被害者遺族としては 当然の感情だと思いますし、

 被害者の心情は これだけ強烈なのだということを、

 生の声で聞かされて 心が動かされました。

 死刑存廃の考えに 少なからず影響を受けたのです。

 本村さんは 自分の一連の言動が、死刑を促す 世論を喚起し、

 裁判を動かすことに なったとしたら、

 自分は十字架を 背負っていくと言っています。

 逆に判決が 無期懲役だったとしても、それを受け止めていくと 述べていますが、

 それは どんなに険しく長い 道のりの果ての心境だったか、想像に余りあります。

 本村さんの活動は、裁判員制度を前にして、

 我々が 死刑をどのように考えるか ということについても、

 非常に働きかけるものが あるでしょう。

 襟を正して 明日の判決を 待ちたいと思います。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/53880108.html