「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ラスト・コーション」

2008年03月02日 23時55分18秒 | 映画
 
 「ブロークバック・マウンテン」 の アン・リー監督、禁断の愛の衝撃作。

(「ブロークバック・マウンテン」
  http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/34019511.html)

 舞台は 1940年前後の、日本占領下の上海。

 傀儡政権は 自国民の抗日運動を 弾圧しています。

 大学に入学して 演劇部に入った ヒロイン、ワン(タン・ウェイ)、

 劇団員に誘われ 抗日運動にはまっていきます。

 弾圧側の顔役、イー (トニー・レイン) に近づいて

 ハニー・トラップを仕掛け、暗殺の機会を伺うのです。

 演劇の延長で、殺人の謀略にまで エスカレートしてしまう学生たち。

 しかし 色仕掛けをしようにも、劇団員たちは一人を除いて 全員性体験がありません。

 しかもその一人も 娼婦相手だという。

 ワンは その男を相手に、床入りの練習をするのです。

 当時の抗日運動の 実態は知りませんが、ただの学生が そこまでするのかと……。

 一度は 殺害計画に失敗して 挫折するものの、

 3年後、ワンたちは再び イーに接触を図ります。

 今度は 本物の女スパイとして。

 ワンとイーは、虚々実々の駆け引きの中で、危険な情欲の逢瀬に 身を投じます。

 このベッドシーンが 極めて激しくて挑発的です。

 ぼかしが入っていますが、本当に“実演”をしているのではないか と思えるような。

 この刺激的なシーンに、タン・ウェイが 文字通り体当たりでぶつかり、

 見る者の 感情を揺さぶります。

 童顔のタン・ウェイは、女学生役も 難なく演じていましたが、

 一変して 妖艶な眼差しを見せつけ、大胆な濡れ場に挑んでいます。

 そして、相手を欺くための 手段だったはずが、次第に真実の愛に……。

 タン・ウェイはテレビドラマで 活躍していたそうですが、映画出演は初めて、

 1万人のオーディションで アン・リー監督から大抜擢されました。

 作品はヴェネチア国際映画祭で 金獅子賞を射止め、

 タン・ウェイは一躍 世界的な女優に名を連ねました。

 僕にとっても 非常に印象に焼きついた女性でした。

 「ラスト・コーション」 の原題は 「色戒」。

 「Lust」 は仏教用語で 「色」 「欲」 「感情」、

 「caution」 は 「戒め」 の他に、 「誓い」 の意味があるそうです。