( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/40087662.html からの続き)
主人公が救出されるシーンでは、現場を埋めつくす 救助隊員たちが、
“寄ってたかって” たった一人を救い出す という演出に陥っています。
他の被害者はどうなってるんだ? 皆でそんなことしてる 場合じゃないだろう!
と 言いたくなってしまいます。
試写会場で、僕の左に座っていた女性は 泣いていましたが、
右に座っていた アメリカ人(?)は 失笑していました。
エピローグでは、事件の中での 人々の善意を讃えています。
それはそれで 部分的には否定できないでしょうが、
でも 5年たった 今なお、後遺症に苦しむ人々がいる 現状に対して、
少々おめでたい メッセージではないでしょうか。
あの 重厚な社会派の オリバー=ストーンの真骨頂は
一体 どこへ行ってしまったのか、という印象です。
最後には お決まりの、「この映画を 9・11の全ての犠牲者に捧げる」
というテロップが出ますが、他の犠牲者は 捧げられたくないんじゃないかなぁと、
一人で思ってしまいました。
(今年度アカデミー賞 最有力候補 という触れ込みですが、
同じ脱出劇である 「ポセイドン」 「海猿」 のほうが、
息を呑むアクションシーンの連続で ずっとマシだったと思います。
テレビの 「九死に一生シリーズ」 などの再現ドラマのほうが、
まだ引きつけられる と言ったら 言いすぎでしょうか?)