「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「グエムル--漢江( ハンガン) の怪物」

2006年09月25日 11時41分41秒 | 映画
 
 下馬評が割れていたので、観るか観ないか 迷っていたのですが、

 拾い物でした! 

(某映画サイトの 冷評の書き込みは、人の尻馬に乗った感じでした。)

 今までにない 独自な映画です。

 怪物の登場シーンからして 意表を付いています。

 「ジョーズ」に代表される この手の映画のように、

 たっぷりと もったいぶらせてから 姿を現す というのでなく、

 のっけから 白昼の都会に いきなり出現し、

 しかも その最初の姿の見せ方が 絶妙だと 僕は思いました。

 また、緊迫したシーンの中で 妙な笑いを誘う演出が 随所にあり、

 おじいちゃんが死ぬところさえ、クスッと笑いを 漏らしてしまったほどです。

 
 そして、お約束の 怪獣 vs 国家戦力 という図式ではなく、

 見すぼらしい ひとつの家族が、娘を助けるために 怪物に立ち向かうのです。

 本来なら 家族を助けるべき国は、怪物に触った家族を ウィルス感染源だとして

 指名手配、検挙して、病院に隔離する始末。

 これは、下層階級の国民の味方にならない 韓国政府に対する皮肉なのでしょうか?

 終いには、お父ちゃんに麻酔もせずに 手術しようとしますが、

 それでも くたばらない お父ちゃんのほうが 怪物ではないかと。(笑い)

 家族は病院から脱出して 怪物を探し、

 当局や浮浪者も合わせて、三つ巴、四つ巴の 対戦が展開していきます。

 ダメ人間だったお父ちゃんも、だんだん逞しくなっていくのでした。

 
 B級映画のテイストで作られていますが、高評の ポン=ジュノ監督は

 やはり 並の監督ではないようです。

 スタンダードな怪獣映画を期待したり、マニア気取りの目で見たら、

 この作品は それに応えてくれないかもしれません。
 
コメント
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