高円寺の夏は、毎年恒例の 阿波踊り大会が開かれます。
西の徳島、東の高円寺と言われるほど 名実とも盛大な祭りで、
今年は50周年を迎えました。
家のすぐ近くなので 僕はほぼ毎年 見に行っています。
今年も 友達と一緒に楽しみました。
活気溢れるダイナミックなリズム、繊細な技の冴え、愛嬌、しなやかさなど、
一度見ると その魅力に取りつかれます。
阿波踊りは 日本が世界に誇れるものだと思います。
今年は50周年の催しのためか、
琉球の力強い太鼓と 山形の花笠音頭の団体も 参加していました。
心身障害者の「連」(団体)もあって、目を開かれる思いでした。
7千人の踊り手と 120万人の観客を 動員したこの祭りも、
第1回目は 参加者38名、観客は2千人だったといいます。
しかも、本当の阿波踊りを知っている人はおらず、
見よう見まねの 「ばか踊り」 としてスタートしたそうです。
その後、本場の徳島に“留学”したり、年々名実とも発展して、
現在の隆盛を誇っています。
高円寺の阿波踊りは、心子とも見物したものです。
彼女が亡くなる前の年の夏も 一緒に行く約束をしていましたが、
その直前に 心子とトラブルがあって 連絡が途絶えてしまいました。
そして 阿波踊り当日、彼女は道で目まいを起こして倒れ、
重症の捻挫で入院したという 知らせが舞い込みました。
病院へ見舞いに行くと、
「マー君と 阿波踊り見に行ってたら、こんなことにならなかった……」
と言っていた彼女でした。
結局、心子とは1回だけしか 阿波踊り見物は できませんでしたが、
今は彼女は 見晴らしのよい高い所から、踊りを堪能していることでしょう。