「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ユナイテッド93」(1)

2006年09月11日 22時44分26秒 | 映画
 
 今日は、あの 9・11同時多発テロ事件から ちょうど5年目。

(9・11は 心子が亡くなったのと同じ年でした。)

 ハイジャックされた ユナイテッド93便の 実話を元にした映画の感想です。

 乗客たちが犯人と闘って、目的地に到達する前に 郊外に墜落した旅客機です。

 これほど全編に渡って、手に汗を握り続けた映画は 初めてです。

 「ロード・オブ・ザ・リング」なども 息付く間もありませんが、

 作られすぎた映像を観た疲労感とは 全く別のものです。

 ドキュメント風な画面構成で、作劇的な演出は一切ありません。

 異常事態に混乱する人々の、単発的なセリフや叫びで 話は展開していきます。

 観る前は、テロリストに立ち向かう 一般人たちの、

 家族への愛のメッセージを残した、感動的な話仕立てかと 思っていました。

 しかし ここには 主人公もヒーローも存在せず、

 犯人さえも 生の一人の人間として 描かれています。

 ファーストシーンは、コーランを読み 祈りを捧げながら

 テロの準備をする、犯人の映像から始まります。

 普通の映画なら、旅立ちに胸をはずませる家族や、ハネムーンの幸せなカップル,

 海外へ赴くビジネスマンなどの 描写から始まるところでしょう。

 テロリストたちは終始 不安を抱えて緊張している、ただの人間です。

 すぐあとに 同じ飛行機に乗ることになる 乗客たちと、

 待合ロビーの椅子に 隣り合わせで座っています。

 スタッフの専門用語が飛び交う 管制塔では、

 ワールド・トレード・センターに 激突することになる2機の 消息が断たれます。

 そんななか、ユナイテッド93便は 飛び立っていきます。

 これから起こる 大惨事を知っている我々は、

 不安をそそる かすかなバックミュージックとともに、緊張が高まっていきます。

 行方不明機の情報は錯綜し、管制センターでも 防空指令センターでも

 事実がつかめません。

 そして CNNのニュース映像で、煙を吹き上げる 貿易センタービルの、

 信じられない現実を 目の当たりにすることになるのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/39971778.html  
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする