「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ワールド・トレード・センター」(3)

2006年09月16日 23時27分20秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/40087662.html からの続き)

 主人公が救出されるシーンでは、現場を埋めつくす 救助隊員たちが、

 “寄ってたかって” たった一人を救い出す という演出に陥っています。

 他の被害者はどうなってるんだ? 皆でそんなことしてる 場合じゃないだろう!

 と 言いたくなってしまいます。

 試写会場で、僕の左に座っていた女性は 泣いていましたが、

 右に座っていた アメリカ人(?)は 失笑していました。

 エピローグでは、事件の中での 人々の善意を讃えています。

 それはそれで 部分的には否定できないでしょうが、

 でも 5年たった 今なお、後遺症に苦しむ人々がいる 現状に対して、

 少々おめでたい メッセージではないでしょうか。
 

 あの 重厚な社会派の オリバー=ストーンの真骨頂は

 一体 どこへ行ってしまったのか、という印象です。

 最後には お決まりの、「この映画を 9・11の全ての犠牲者に捧げる」

 というテロップが出ますが、他の犠牲者は 捧げられたくないんじゃないかなぁと、

 一人で思ってしまいました。
 

(今年度アカデミー賞 最有力候補 という触れ込みですが、

 同じ脱出劇である 「ポセイドン」 「海猿」 のほうが、

 息を呑むアクションシーンの連続で ずっとマシだったと思います。

 テレビの 「九死に一生シリーズ」 などの再現ドラマのほうが、

 まだ引きつけられる と言ったら 言いすぎでしょうか?)
 

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