「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子と父親

2006年02月15日 11時29分26秒 | 心子、もろもろ
 
心子と父親は、並の父娘の結びつきではありませんでした。

 恋愛感情と言っていいものでつながり合っていました。

 心子は父親を異性として深く愛していました。

 幼い心子にとって、父親は完全無欠な男性の理想像になり、長じて心子が理想の男性を希求する原型になったのかもしれません。


 父親は遺伝的な心臓病で、いつ発作に襲われるか知れない体でした。

 父親は自分がいなくなったあとも心子が独力で生きていけるようにと、心子を厳しくしつけました。

 心子の素質を見込み、英語や礼儀作法,社会の表と裏を教え込みました。

 乗馬や社交ダンスも教えたということです。

 心子も勉強をしていれば時がたつのを忘れる子でした。

 そして親の手を借りずに何でもしてしまう子になりました。

 3才のときには独りで病院へ受診しに行ったといいます。

 受付の台が高くて診察券が届かなかったそうです。

(続く)