「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子と母親

2006年02月14日 10時23分48秒 | 心子、もろもろ
 
心子は母親とも父親とも親子らしい愛情を育めませんでした。

 病気知らずだった母親は、幼いときから体の弱かった心子の痛みをくむことができず、心子は無神経な母親のせいで傷を負ってはうっぷんをぶつけました。

 母親とは人生観も感性も全く異にし、もめ事が絶えなかったといいます。

 心子は愛情をもらえなかった母親を憎んでおり、17才で家を出ました。

 このままでは母親を殺してしまうと思ったそうです。


 僕と付き合うようになってからも、母親とケンカになったというメールが何回か送られてきました。

<母は馬鹿で病人の気持ち判らない人で、他人の痛みが判らないヤツなんて人間やめろ!>

<母は下等動物だから、気にしてると私が発狂するから実家へ帰させました。人間所詮一人ですよ>

 ところが片方ではこんなメールが来ました。

<もう人を傷つけたくない。私はいつもそばにいる人を傷つける。いつかまた、あなたも傷つけてしまう。大切な人を>

 愛され方を知らずに育ち、愛し方も分からないのです。

(続く)
 
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