蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

耐震強度偽装問題ー国会証人喚問TV中継を見て

2005-12-15 00:32:14 | 時事所感
12月14日(水)
 午前9時半から午後5時まで、耐震強度偽装問題国会証人喚問国会中継を視聴した。前回の参考人招致に引き続くいよいよ大詰め、主役登場といった場面である。

 こんな言い方は、被害にあわれた方々に対しては不謹慎であり冗談じゃないと叱られてもしょうがないが、客観的立場から多大な関心を寄せているものの率直な感想としてお許し願いたい。

 先ず、今日のやり取り見ていて誰が最大の黒幕かということが明らかになったと感じた。
 
 それは、総研の内河所長である。姉歯元一級建築士は単なる手先に過ぎないとみた。彼でなければば別の誰かが引っ張り込まれただけではなかったか。

 ホテルだろうとマンションだろうとバブル崩壊後の不景気のなかで過酷な価格競争に勝つためには、従来聖域とされてきた構造部分に手を突っ込むことが最も手っ取り早いと気付いたのが、内河所長だったのではないか。

 彼は、このアイディアを実行するために人の良いというか歳のせいで実務をやり手の部下にまかせっきりにしている木村建設に目をつけ旨い具合に利用したのではないか。

 木村建設の篠塚元支店長は、社長が老齢のため実務を離れいささかとろくなってきたのをよいことに、木村建設がそれなりに地元で長年培ってきた信用力を悪用し、総研とつるんで自身の栄達と利得をはかったのではないか。

 ヒュザーの小嶋社長は、マンション建設のコスト削減策を探す中で悪は悪を呼ぶのたとえでどこかで内河所長のやり口を知り、「これだ」と飛びつき、顧客たる善良な一般庶民を多数巻き込む事態になったのではないか。

 そして、こんな悪事が白昼堂々とまかりとおる舞台装置を用意したのが、やみくもに規制緩和の錦の御旗の下、建築確認業務を民間まかせにしたところにあるのではなかったか。

 その意味で政府行政の責任は重大である。

 今日の議員の質問を聴いていて馬渕議員の質問は、実に素晴らしかった。よく調べられており、優秀な検事の取調べを目の当たりにするような迫力があった。
 ベニスの商人、シャイロックの詭弁を暴く場面を彷彿とした。それまでの質問者に対してはたかをくくっていた感のあった内河証人の顔面が緊張で紅潮し、蝮のような細い目が充血していくのが見て取れた。

 せめてもの救いは、今後の事態の推移の中でどう実行されるのを待たなければならないが、木村建設社長が、自分の生命以外、妻の物も含めて全財産を投げ出してお詫びしたいと発言したことであった。


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