蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

チャングムの誓いー近年まれに見る最高のドラマだ!

2005-12-18 00:41:23 | 日常雑感
 ここのところ、NHK、BS2、夜8時から10時にかけて放映されている「チャングムの誓い」にはまっている。

 今回は再放送だが何度見ても新鮮であり面白い。何んでこんなに面白いのか考えてみた。

 先ず、脚本がすばらしい。ドラマの中でのセリフの一つ一つに無駄がなく、内容がある。
 特に、料理について、医術についても聞いていて実に教えられることが多い。

 どこまでが史実どおりであり、どこが脚本家の創造で補充されているのかはしるよしもないが、このドラマどおりとすれば、日本では室町時代に相当する当時の韓国において、これほどの医女養成機関があったとは驚きである。

 また、患者の診察にあたっても実に客観てきであり合理的であることに驚く。これほどの合理性をもちながらその後の韓国の歴史をみるとき、やすやすと日本や中国に蹂躙されるのが不思議に思える。

 結局、国家の発展は直線てきではなく螺旋的に前進、逡巡、遅滞、後退を繰り返していくほか無いからなのかと思う。

 日本だってそうだ、明治維新での躍進、大正の遅滞、昭和前半の後退、そして戦後の躍進と平成に入っての退嬰というところであろうか。

 そして、このドラマの面白さは、筋書きつまりドラマの構成がしっかりしていて安心して見られるからである。

 骨太な構成である。そこには人間性善説への確固たる信念が感じられる。教養小説ならぬ教養ドラマなのである。

 日本では、こういうドラマは「おしん」以来絶えてお目にかかれない。つまらない、何の人間に対する夢も理想もないどうでもいいような日常茶飯事をさもおもしろおかしそうに「これが新しいドラマなのよ」と賢しららしくいいたげなものばかりである。

 小津映画、向田邦子の亜流ばかりが目立つ。

 さらに、登場人物が主人公チャングムだけに偏らず、登場人物の一人ひとりに個性があり、ドラマに社会性をもたらしていることだ。

 また、それを演じている個々の俳優に優劣が付けがたいことだ。特に女優人は皆、個性的で美人ぞろいである。

 そして、音楽がすばらしい。

 とにかくこの一作のドラマが私のこれまでの韓国に対して抱いていたイメージを一変させた。

 チャングムの何事に対してもひたむきな生き方、誠実さこそ、人間として生ある限り誰もが持ち続けなければならないものであると感じた。


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