蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

『石原都知事閣下のご機嫌取り料、5億円なんて安いもの』とは!

2007-02-09 10:46:41 | 時事所感
2月8日(木)晴れ。暖。

  今朝の朝日34面、『知事権力―統一選を前に石原都政の今 四男重用アート軍団』なる記事を読んだ。

  知事肝いりの文化振興事業、TWS(トウキョウワンダーサイト)とかの名称で、現代美術を東京から育てる目的で、若手の現代芸術化に作品を展示・販売する場を提供し、海外の芸術家を招いて刺激し合わせようという趣旨とか。

  この事業への都からの補助金が。06年度予算で、4億7千万円。4年間で当初の8倍以上になり、他の文化事業に比べて突出した伸びになっているそうだ。
  しかも、この事業の責任者、今村氏は建築家で、知事閣下の四男お坊ちゃまの友人で、お坊ちゃまの推薦により、 都参与・TWSの館長に就任され、その夫人を課長に据え、二人で受け取る年収が1600万円を超えるという。

  そして、この記事の末尾に、『だが、都幹部からはこんな声も漏れる。「年間5億円で知事のご機嫌が取れれば安いもの」』と。

  冗談ではない。都民の血税で知事のご機嫌取りのために、5億円もミスミス使われるとは!山家の隠居の怒髪天を衝いた。(といっても、禿頭の哀しさ、これは気持ちだけ)
  私は、今や東京都民ではない。都税が何に使われようと、どんな使われ方をしようと都民の皆様がそれで良しとされるならば、何も口を挟む立場にない。

  私が憤慨に堪えないのは、その中にかって身をおいた者の一人として、都の幹部職員が、「知事のご機嫌取りのためなら5億円は安い」なんてことを仮にも洩らす、その姿勢である。

  都の各級の昇任試験の際には、口をすっぱくして、「都民のために、都民の目線で…職務に専念し、施策を考えるように」と叩き込まれ来た筈である。その言葉を誓って、念仏のように唱えて初めて、幹部職員に登用されている筈である。
 それが、よくもこんな言葉を平然と吐けるようになったものである。
 
 戦国武将は何か事あれば、八幡大菩薩の前で神文誓詞を取り交わし、署名血判したというが、そんな誓詞は一旦利害反すれば、たちまち反古にされたと聞く。
 ならば、遥か昔に試験官の前で神妙に「都民のために…」なんて誓ってみせたことぐらい、今は昔で一旦偉くなってしまえば、知事の逆鱗に触れない限りは、首も飛ばず左遷もされずとあらば、とっくの昔に頭の中から雲散霧消していて何の不思議があろうことかということか。
  
 今、後輩たち下っ端は、目標管理で上から締め上げられて、都税滞納者の徴収整理に獅子奮迅と聞く。都主税局の都税未納徴収率は過去最高、全国最高になっているとか。インターネット競売まで全国に先駆けて、今や国税庁がこれにならうとか。

 こうして集めた血税が、知事閣下親子のご趣味に毛の生えたような事業にサラサラと流されて、1200万人東京都民の皆さんは、それでも「まあ、いいじゃあないか、何か悪いことに使ってるわけではなし…」と鷹揚に、また1票を、お投じになるのだろうか。

と、思うこの頃さて皆様はいかがお思いでしょうか。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (DH)
2007-02-09 20:27:10
>「年間5億円で知事のご機嫌が取れれば安いもの」

本当にこんな発言したのですか。俄かには信じられないですね。どうしてそこまで媚びへつらうのか理解できません。役人の顔がどっちに向いているのかがよくわかります。

今度の選挙はどうなるんでしょうか。都民ではありませんが、野次馬的には接戦になる方が面白いのですが。まあ、相手候補の玉次第でしょうね。
返信する
5億! (さくら)
2007-02-09 20:41:28
蛾遊庵様の都政への思いはとても深い、と思います。
お怒り、ごもっともです。

都知事の身内への甘さ、権力の乱用、5億もの価値があるならまだしも、またそれで良し!と公言する部下。

都民はどういう思いなんでしょうか。

5億もの大金を有効に使えばすばらしい事が出来ると思います。

「裸の王様」に誰か「裸だ~!」と叫んで欲しいものですね。
返信する
人間の上下関係、昔も今も不変のようです! (蛾遊庵徒然草)
2007-02-10 00:58:51
 DH様、さくら様、
 今晩もまた、早速にコメントありがとうございました。

 DH様の<本当にこんな発言したのですか。俄かには信じられないですね。どうしてそこまで媚びへつらうのか理解できません。役人の顔がどっちに向いているのかがよくわかります。>とのこと。

 私も、この記事を読んだ時、同じことを思い、目を疑いました。もっともこの頃のメディアもモラルハザードで、面白おかしくするためには、こんな程度の誇張は朝飯前かとも思わぬではありませんが。

 しかし、私の貧しい見聞からでも、むべなるかなと思わぬでもありません。

 知事の傍近くお仕えになっている都庁エリートの方は、現場の苦労から遠く、都民の皆様なんて視野の中に微塵も掻き消えてしまい、上を向いているのだけが仕事と心得て居られる方も少なくはないようですから…。

 私も、某局でっ下っ端ながら、局トップの御前会議の端っこに事務方として何度か座したことがありますが、そのとき目にしたのは、ワンマン局長の前で、お傍ご用人さながらのお気に入りの秘書役がのさばり、職制上司の部長をさしおいて発言が許され、事が決められていくさま、江戸時代犬公方将軍綱吉と柳沢吉保の頃もかくやと思わされたものでした。
 
 人間、時代は変わっても、上のものにはへつらい、下のものや弱いものは歯牙にもかけないという人間心理の機微、行動様式は、情けないかな不変のようです。
 
 さくら様の<都知事の身内への甘さ、権力の乱用、…>とのこと。
 これも、田中真紀子悪口雑言女史と同様、石原夜郎自大閣下も一度も組織の中で下っ端としてお勤めになった経験皆無の方。
 こういう方は、自家の使用人も、外務省や都庁の役人も、見境がつかないのではないでしょうか。
 おまけに税金も、自分の小遣いの別もと言ってあげたいですね。(苦笑)


 
返信する

コメントを投稿