古河、小山を経由して向かった先は「石橋駅」。
石橋駅があるのは「下野市」だけど、駅前が境界で東側は河内郡上三川町。栃木県も広いね。
懇意にして下さっている「よもだそば」さんの仲介で「松屋製粉」さんに伺いました。
今回は、かなり特別な「蕎麦打ち体験+製粉工場見学」ツアー。(普通の「そば打ち教室」も実施中です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/b4/b424a700c29ce72d1c71b4bc7243e63d.jpg)
現在は日本製粉グループですが、宇都宮市大通りに創業した歴史ある製粉会社。会社概要・地図・沿革
田川沿いの旧工場は河川交通を利用して材料の搬入や製品の出荷を行っていたそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/dd/15680716f05f6cf02d5ad4458dbbefae.jpg)
これは事務所棟・工場のごく一部。
まずは座学で「そば」を学びました。外殻のついたママの「玄そば」サンプル
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/db/c7aeee4fab2fe7182da6e65d6b7868a0.jpg)
「そばの種類」や「そば粉の種類」。
こちらも参照下さい→「そば辞典」◆そばの産地 ◆そば粉の種類
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/7c/7ebee7f021ef43dbd2d0679746d7bd2b.png)
外殻を取った「むき実(抜き実/丸抜き)」に石臼やローラーで圧を掛けて行った時に最初に粉となるのは、澱粉質の多い(相対的に脆い)「実の中心部」で、そこから順に外側に向かって粉になっていくのでした。
一番粉から四番粉まで、石臼やローラーのピッチを変えることで段階的に繰り返し製粉(粉砕)し、網目の異なる多数の篩で篩分けして各種そば粉が出来ていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/9c/37383df28cae4be23a8d825eb46c4fb4.jpg)
挽き方や粉になる順番により異なる性質・色となる様々な「そば粉」サンプル。
面白いのは少量しか取れない最初の真っ白な「そば粉」は澱粉質が多過ぎるので風味には欠ける。
また、澱粉質が多く、蛋白質が少ないので「繋ぎ」が無いと繋がらないそうです。
そば粉の種類に厳密な規格は無いそうだが、それらが「打ち粉・御膳粉」。
もう少し周辺部も含んだ粉が「更科粉」。
澱粉質が豊富なこれらの粉を主体といた「蕎麦」は食感(つるみ・弾力・歯切れ)の良い麺になる。
さらに外側を含む「挽きぐるみ」、一番外側を含むのが「藪」。
中心部が澱粉質が多いのに対して、外側に近い方は蛋白質が多くなる。
粘ばる、つまり、繋がり易くなる。風味や味わいもあり、最もバランスが良いのは「挽きぐるみ」。
蕎麦の「胚芽」や「種皮(甘皮)」は「サナゴ」。コメでの糠にあたる「サナゴ」は風味・栄養にも優れる。
製粉機の違いによってもそば粉の性質は異なるそうで(石臼挽きの方が繋がり易い等)、
異なる性質を持つ各種「そば粉」を任意に配合する事で様々な「蕎麦」が作れる面白さを感じた座学でした。
ということで「蕎麦打ち体験」です。※松屋製粉さんの「そば打ち教室」ページ
まずは先生にお手本を示していただきまして。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/92/52cb7722b6399fefb58ee2cc34fad663.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/32/b4ad1ea55a66ff711764655046a89a90.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/9c/f3b76259383cc91cad0c7f7ac4bd7fac.jpg)
さすがは先生、立派な蕎麦ができました。
今回の材料は「北海道 幌加内産」の「キタワセ 新蕎麦」。その「七割蕎麦」。
そば粉割合が高いと技術も要求されるし、繋がらないので初心向けに七割で。小麦蛋白(グルテン)は偉大。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/be/d547e79a03b1a4cc42c0bb6c3a520b8e.jpg)
篩って、水回し、練り、丸出し、四つ出し、たたみ、切り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/2f/3ddcf1861c10be53acd9ad1761194154.jpg)
どうやったら丸い生地が四角になるのかな??と思っていた生地を四角にする「四つ出し」を実地でやってみて、そういうことなのか!!と理解できたのが一番の収穫でした。
そば粉の配合や粉の湿度、天候によっても加水率は微妙に異なってくるので、経験を要求されるのは「水回し」ですね。今回は先生方に見て貰いながらだったので、上手くまとまった「そば玉」になりましたけど。
ちなみに、こちらの先生。外食産業向けイベントの「松屋製粉」ブースなどでもお会いできるかも。
普通の「そば打ち教室」では、この後、自分の打った蕎麦の試食になるのですけれど......。
「よもだそば」さんの蕎麦の再現と高級版試作。さらに実験的作った超高級茹で麺の試食です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/78/d2b522463b2beb678ccd3a25f3261a34.jpg)
左上 : 「よもだそば」再現。 右上 : 「よもだそばシンガポール」再現。
左下 : 「よもだそば」高級バージョン試作。石臼挽きそば粉を高配合♪
そして、右下は「超高級茹で麺」。なんと、幌加内産の新蕎麦の「八割蕎麦」!!
残り2割も時間を置いても延びないよう、かなりの工夫をした配合になっているのだぁ......
この後は厳重に衛生管理された工場見学。ちゃんと着替えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/ba/88398f7f771a714c0f5ad33a112e4b6b.jpg)
著者近影。
石臼式とロール式の製粉機などを拝見させていただきました。参照:そば粉製造過程 [松屋製粉]
石臼の周囲を囲む部分や製粉した粉を受ける部分などに木を使った木部が多いのは意外でした。
※なお、製粉方法には、胴挽き(胴搗き)という方式もある
国内の製粉機メーカーとして有名らしい「柳原製粉機」のロール製粉機もありますね。
大型石臼製粉機はかなり高速で回転するので生産性も高い(大型ロール製粉機の比ではないが...)。
自社商品に「石臼挽き」を謳いたいコンビニや製麺会社からの注目度も高そう。
翌日、クール宅配便で届いた自作蕎麦。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/0e/c6c31ef15d8c40313edcc4b22cc5ea11.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/94/903c0b1a3fa2e5d89e9c50e713fb70bc.jpg)
おいしくいただきました♪
新蕎麦の蕎麦を茹でた茹で汁...蕎麦湯は別格の旨さですね。蕎麦の蛋白質は水溶性だからかも。
こちらは、おみやげにいただいた「超高級茹で麺」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/d1/0f15defd8d9592156dad3332b2021f4b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/bd/edfb8be39a4dada62a743d4b38c930f5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/3a/ae067b9675d3fdd5f840c60a69636e90.jpg)
普通の「茹で麺」との差に戸惑いますねー (^-^;
使われている「そば粉」の種類や性質を知らないのなら、「十割蕎麦だからウマい」とか、「あのチェーンのそば粉は何割入り?」とかの議論は、あまり意味を持たない事に今更ですが気が付きました。
だって、「質の悪いそば粉」で「十割蕎麦」を作っても、それは「十割蕎麦」であるし、
たとえ、「そば粉3割」でも、その質と配合バランスで「良い蕎麦を作ることはできる」のですから。
「松屋製粉」さんには大変お世話になりました。どうも、ありがとうございました。
[オマケ]
宇都宮で帰りに食べた「みんみん」のギョーザ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/21/fd7807bb08dcc4f40943de0861e6ec05.jpg)
これもおみやげ「打ち粉」。お湯で溶いて濃いめの蕎麦湯にして「蕎麦焼酎」の「蕎麦湯割り」にぃー。
「打ち粉」は高価なので、普通の蕎麦屋さんが手打ちをする場合、サゴヤシ由来の澱粉で代用するみたいです...
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/66/906cf63e89904c90a3ea7a96ce148ecc.jpg)
「韃靼そば茶」なんかも
石橋駅があるのは「下野市」だけど、駅前が境界で東側は河内郡上三川町。栃木県も広いね。
懇意にして下さっている「よもだそば」さんの仲介で「松屋製粉」さんに伺いました。
今回は、かなり特別な「蕎麦打ち体験+製粉工場見学」ツアー。(普通の「そば打ち教室」も実施中です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/b4/b424a700c29ce72d1c71b4bc7243e63d.jpg)
現在は日本製粉グループですが、宇都宮市大通りに創業した歴史ある製粉会社。会社概要・地図・沿革
田川沿いの旧工場は河川交通を利用して材料の搬入や製品の出荷を行っていたそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/dd/15680716f05f6cf02d5ad4458dbbefae.jpg)
これは事務所棟・工場のごく一部。
まずは座学で「そば」を学びました。外殻のついたママの「玄そば」サンプル
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/db/c7aeee4fab2fe7182da6e65d6b7868a0.jpg)
「そばの種類」や「そば粉の種類」。
こちらも参照下さい→「そば辞典」◆そばの産地 ◆そば粉の種類
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/7c/7ebee7f021ef43dbd2d0679746d7bd2b.png)
外殻を取った「むき実(抜き実/丸抜き)」に石臼やローラーで圧を掛けて行った時に最初に粉となるのは、澱粉質の多い(相対的に脆い)「実の中心部」で、そこから順に外側に向かって粉になっていくのでした。
一番粉から四番粉まで、石臼やローラーのピッチを変えることで段階的に繰り返し製粉(粉砕)し、網目の異なる多数の篩で篩分けして各種そば粉が出来ていきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/9c/37383df28cae4be23a8d825eb46c4fb4.jpg)
挽き方や粉になる順番により異なる性質・色となる様々な「そば粉」サンプル。
面白いのは少量しか取れない最初の真っ白な「そば粉」は澱粉質が多過ぎるので風味には欠ける。
また、澱粉質が多く、蛋白質が少ないので「繋ぎ」が無いと繋がらないそうです。
そば粉の種類に厳密な規格は無いそうだが、それらが「打ち粉・御膳粉」。
もう少し周辺部も含んだ粉が「更科粉」。
澱粉質が豊富なこれらの粉を主体といた「蕎麦」は食感(つるみ・弾力・歯切れ)の良い麺になる。
さらに外側を含む「挽きぐるみ」、一番外側を含むのが「藪」。
中心部が澱粉質が多いのに対して、外側に近い方は蛋白質が多くなる。
粘ばる、つまり、繋がり易くなる。風味や味わいもあり、最もバランスが良いのは「挽きぐるみ」。
蕎麦の「胚芽」や「種皮(甘皮)」は「サナゴ」。コメでの糠にあたる「サナゴ」は風味・栄養にも優れる。
製粉機の違いによってもそば粉の性質は異なるそうで(石臼挽きの方が繋がり易い等)、
異なる性質を持つ各種「そば粉」を任意に配合する事で様々な「蕎麦」が作れる面白さを感じた座学でした。
ということで「蕎麦打ち体験」です。※松屋製粉さんの「そば打ち教室」ページ
まずは先生にお手本を示していただきまして。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/92/52cb7722b6399fefb58ee2cc34fad663.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/32/b4ad1ea55a66ff711764655046a89a90.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/9c/f3b76259383cc91cad0c7f7ac4bd7fac.jpg)
さすがは先生、立派な蕎麦ができました。
今回の材料は「北海道 幌加内産」の「キタワセ 新蕎麦」。その「七割蕎麦」。
そば粉割合が高いと技術も要求されるし、繋がらないので初心向けに七割で。小麦蛋白(グルテン)は偉大。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/be/d547e79a03b1a4cc42c0bb6c3a520b8e.jpg)
篩って、水回し、練り、丸出し、四つ出し、たたみ、切り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/2f/3ddcf1861c10be53acd9ad1761194154.jpg)
どうやったら丸い生地が四角になるのかな??と思っていた生地を四角にする「四つ出し」を実地でやってみて、そういうことなのか!!と理解できたのが一番の収穫でした。
そば粉の配合や粉の湿度、天候によっても加水率は微妙に異なってくるので、経験を要求されるのは「水回し」ですね。今回は先生方に見て貰いながらだったので、上手くまとまった「そば玉」になりましたけど。
ちなみに、こちらの先生。外食産業向けイベントの「松屋製粉」ブースなどでもお会いできるかも。
【「2016麺産業展」に出展】2016年4月4日 日本製粉株式会社 カフェ風ブースにてガレットの試食実演も行います 「2…#日本製粉#松屋製粉#麺産業展#vnr#動画https://t.co/xCJfO9wpwx pic.twitter.com/YUMyPkfcIJ
— VNR@動画プレスリリース (@VNRch) 2016年4月4日
普通の「そば打ち教室」では、この後、自分の打った蕎麦の試食になるのですけれど......。
「よもだそば」さんの蕎麦の再現と高級版試作。さらに実験的作った超高級茹で麺の試食です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/78/d2b522463b2beb678ccd3a25f3261a34.jpg)
左上 : 「よもだそば」再現。 右上 : 「よもだそばシンガポール」再現。
左下 : 「よもだそば」高級バージョン試作。石臼挽きそば粉を高配合♪
そして、右下は「超高級茹で麺」。なんと、幌加内産の新蕎麦の「八割蕎麦」!!
残り2割も時間を置いても延びないよう、かなりの工夫をした配合になっているのだぁ......
この後は厳重に衛生管理された工場見学。ちゃんと着替えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/ba/88398f7f771a714c0f5ad33a112e4b6b.jpg)
著者近影。
石臼式とロール式の製粉機などを拝見させていただきました。参照:そば粉製造過程 [松屋製粉]
石臼の周囲を囲む部分や製粉した粉を受ける部分などに木を使った木部が多いのは意外でした。
※なお、製粉方法には、胴挽き(胴搗き)という方式もある
国内の製粉機メーカーとして有名らしい「柳原製粉機」のロール製粉機もありますね。
大型石臼製粉機はかなり高速で回転するので生産性も高い(大型ロール製粉機の比ではないが...)。
自社商品に「石臼挽き」を謳いたいコンビニや製麺会社からの注目度も高そう。
翌日、クール宅配便で届いた自作蕎麦。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/0e/c6c31ef15d8c40313edcc4b22cc5ea11.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/94/903c0b1a3fa2e5d89e9c50e713fb70bc.jpg)
おいしくいただきました♪
新蕎麦の蕎麦を茹でた茹で汁...蕎麦湯は別格の旨さですね。蕎麦の蛋白質は水溶性だからかも。
こちらは、おみやげにいただいた「超高級茹で麺」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/d1/0f15defd8d9592156dad3332b2021f4b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/bd/edfb8be39a4dada62a743d4b38c930f5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/3a/ae067b9675d3fdd5f840c60a69636e90.jpg)
普通の「茹で麺」との差に戸惑いますねー (^-^;
使われている「そば粉」の種類や性質を知らないのなら、「十割蕎麦だからウマい」とか、「あのチェーンのそば粉は何割入り?」とかの議論は、あまり意味を持たない事に今更ですが気が付きました。
だって、「質の悪いそば粉」で「十割蕎麦」を作っても、それは「十割蕎麦」であるし、
たとえ、「そば粉3割」でも、その質と配合バランスで「良い蕎麦を作ることはできる」のですから。
「松屋製粉」さんには大変お世話になりました。どうも、ありがとうございました。
[オマケ]
宇都宮で帰りに食べた「みんみん」のギョーザ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/21/fd7807bb08dcc4f40943de0861e6ec05.jpg)
これもおみやげ「打ち粉」。お湯で溶いて濃いめの蕎麦湯にして「蕎麦焼酎」の「蕎麦湯割り」にぃー。
「打ち粉」は高価なので、普通の蕎麦屋さんが手打ちをする場合、サゴヤシ由来の澱粉で代用するみたいです...
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/66/906cf63e89904c90a3ea7a96ce148ecc.jpg)
「韃靼そば茶」なんかも
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/b8/56a527f19ea5c95c254722db3fc32c43.jpg)