立ち喰い Style

ファストフードの原型、立ち食いという様式美

「茹で麺」をきちんと把握する '22/9/25追記

2015-09-19 16:24:56 | お知らせ/コラム
世の中には商品としての「茹で麺」を知らない人もいるようなので、ちゃんとまとめておこう♪

一般に流通している麺類にはたくさんの種類があるけれど、製造法による分類としては。

・生 麺-----生地を線状に成形したもの
・茹で麺-----生麺を茹でてアルファー化したもの
・蒸し麺-----生麺を蒸してアルファー化したもの (焼きそば用の麺など)
・半生麺-----生麺を適度に乾燥させ水分量を少なくしたもの
・油揚げ麺---生麺または加工した麺を油で揚げてアルファー化したもの

・乾 麺-----生麺を完全に乾燥させ水分量を少なくしたもの(食品表示としては乾麺のみが「乾めん類」)
・冷凍麺-----生麺を茹でて冷凍したもの
という感じになるだろう。

冷凍麺を除くと消費期限は水分量と関係するので、乾麺が一番長く、茹で麺が一番短い。※揚げ油は酸化する
つまり、実は「茹で麺」は鮮度が命の食べ物なのだ。

原材料混合→麺帯→水和・熟成→圧延→麺線を経て「生麺」となり、
工場で茹でて、「個包装」または「麺玉」を麺ケースに収納して立ち食いそば店やスーパーのチルド麺売り場に配送される。

スーパーで誰でも買える「シマダヤ」の「茹で麺」そば。

一般に立ち食いそば店では業務用「茹で麺」を使うことが多いが、右の「フレッシュ便 藪そば」は横浜の「鈴一」でも使われている。消費期限は5日と短いが余計な添加物は無い。
左の「粗挽きそば」はシマダヤが「セミロングライフめん」と呼ぶ製品群の一つで袋詰めの後に「加熱殺菌製法」することで保存性を高めた製品(酸味料も添加されている)。配送頻度や回転率のあまり高くない店舗に対応した結果だろう。

スピード命の「駅そば」においても、
厨房機器の進化や製麺技術の向上で茹で時間/提供時間が短縮された結果、
生麺や冷凍麺を使う店が多くなり、「茹で麺」を使う店舗は明らかに減少しています。

生麺の茹でたても確かにいいかもしれません。
が、湯通しだけで食べられる「茹で麺」には「茹で麺」の良さがある。
そこには「生麺」とは違う世界があるのです。

※給食で食べた「ソフトめん」も茹で麺ですよ♪
(一度、蒸してから茹でるようですが、最終工程が「茹でる」なら分類上は「茹で麺」)

参照資料:生めん類の表示 全国製麺共同組合連合会
     中小事業者向け やさしい食品表示の手引き 群馬県(平成24年3月作成)そば・うどん編
     日本冷凍めん協会

2022/9/25追記
思い立ったので追記💦

以前からアタマのスミで引っ掛かっていた「生タイプ」問題。

「寿がきや」や「五木食品」の常温長期保存可能な「うどん」などの「生タイプ」製品って、ナンなのよ🤔❓
と思っていたのだが、

「生めん類」の仲間ではなくて、「即席めん」の仲間だから「ゆで」マークが無いんだね!! ※参照記事

「即席めん」の分類は、糊化(α化)してから、
 ・油で揚げて乾燥「フライ麺」
 ・熱風乾燥「ノンフライ麺」
 ・乾燥しないで密封殺菌「生タイプ麺」ってコトか
茹でるなり、蒸すなりして糊化(α化)しないで、そのまま乾燥したのは「乾麺」だ

「生めん類」の定義としては、「生めん類の表示に関する公正競争規約」に
【「生めん類」とは、小麦粉等の穀粉類を主原料として製めん、成形したもの及び製めん、成形した後「ゆで」、「むし」、「油揚げ」、「半なま」又は「冷凍」の工程を経たもの(以下「加工したもの」という。)であって、「うどん」、「そば」、「中華めん」、「生マカロニ類」、「生スパゲッティ類」、「ソフトスパゲッティ式めん」、「大麦めん」、「大麦そば」、「冷めん」、「米粉めん」及び「ぎょうざの皮等」並びにこれらに準ずるものとして公正取引協議会で査定し、消費者庁長官及び公正取引委員会の承認を得たものをいい、乾めん、即席めん、食堂で顧客に提供するために調理しためん類及び自動調理販売機により販売されるめん類は含まない。】と規定されている。
コメント
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