ジャズ史に燦然と輝く大名盤 『ワルツ・フォー・デビイ』 を生んだ、1961年ビル・エヴァンス・トリオの歴史的ライヴ・ドキュメントのコンプリート・ボックスセット 『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』 をようやく購入しましたー!!
このボックスセットですが、実はすでに5年前に発売されていたのですが、その時はまだビル・エヴァンス自体にまるで興味がなく、このボックスセットの存在すら知らなかった訳です(苦笑)。今回はたまたま店頭で見かけて、昨年秋に 『ワルツ・フォー・デビイ』 誕生45周年特別企画として廉価版発売されたものを購入しました。日本のみの初回限定特別価格と書かれており、CD3枚組でなんと税込価格3000円(!)というのですから驚きです。輸入盤ではなく、ビクターエンタテインメントから発売された「20bit K2 Mastering」のれっきとした国内盤であるにも関わらずです。これにはボックスセットの完全盤収録音源の発掘と同時に、販売価格にも仰天させられてしまいました!!いやー、生きてて良かった、というのはこういう時の気持ちを表現すればいいのでしょうか(苦笑)。
この歴史的セッションは、ライヴ開演直後に停電となり録音失敗してしまった「グロリアズ・ステップ」の存在が有名でありますが、本ボックスセットでもその時の録音失敗したテープをそのままマスターとして使用しているため、いきなり停電になったシーンまで克明に記録されております。まさに歴史的な瞬間をこの耳で聴くことができた時の興奮は筆舌に尽くし難いですね。なにより下手な小細工などせず、録音された状態のテープをそのまま再現したというのが何とも潔くて好感がもてます。言葉で表現できないぐらいブルブルと膝を震わせながら拝聴させていただきました(笑)。
録音に失敗した上記「グロリアズ・ステップ」を除き、同日の模様をほぼ演奏順に収めた 『コンプリート・リバーサイド・レコーディングス』 という既発コンプリート・ボックスセットも存在するようですが、「コンプリート」という名の「不完全盤」は世の中にもたくさん存在する訳で(苦笑)、この録音が中断された「グロリアズ・ステップ」の演奏シーンやライヴ冒頭の会場アナウンス、演奏合間のビル・エヴァンスのバンド・メンバーとのやりとりまで微細漏らさずに完全収録した、真の意味での「コンプリート盤」は本作であると断言していいでしょう!!まさに理想的なオフィシャル・ブートレッグの形を実現したのが本作であります。(※尚、本作はオフィシャル・ブートレッグとは謳っておりませんので誤解なきよう悪しからず、苦笑)
スピーカーの前に正座して目を閉じて聴いていますと、そこはまさに当時のヴィレッジ・ヴァンガードの客席で、ビル・エヴァンスの最高のステージを眼前にしているかのような錯覚を覚えます。この歴史的なライヴが自宅に居ながらにして体感できてしまうのですから、ジャズ・ファン垂涎の3枚組ボックスセットだと云えますね。今ならまだ普通に購入することができると思いますので、興味をもたれた方は是非入手して聴いてみて下さい!!これは絶対にイイですよー!!久々の 『赤丸・必聴・必携ご推薦アルバム』 であります。善は急げっ!!
◎BILL EVANS 『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』 (VICTOR, VICJ-41481/3)
DISC.1:
※Afternoon Set 1
01. spoken introduction
02. GLORIA'S STEP (take1 - interupted) *世界初登場曲
03. ALICE IN WONDERLAND (take1)
04. MY FOOLISH HEART
05. ALL OF YOU (take1)
06. announcement and intermission
※Afternoon Set 2
07. MY ROMANCE (take1)
08. SOME OTHER TIME
09. SOLAR
DISC.2:
※Evening Set 1
01. GLORIA'S STEP (take2)
02. MY MAN'S GONE NOW
03. ALL OF YOU (take2)
04. DETOUR AHEAD (take1)
※Evening Set 2
05. discussing repertoire
06. WALTZ FOR DEBBY (take1)
07. ALICE IN WONDERLAND (take2)
08. PORGY (I LOVES YOU, PORGY)
09. MY ROMANCE (take2)
10. MILESTONES
DISC.3:
※Evening Set 3
01. DETOUR AHEAD (take2)
02. GLORIA'S STEP (take3)
03. WALTZ FOR DEBBY (take2)
04. ALL OF YOU (take3)
05. JADE VISIONS (take1)
06. JADE VISIONS (take2)
07. ...a few final bars
BILL EVANS - piano
SCOTT LaFARO - bass
PAUL MOTIAN - drums
Recorded in performance at the Village Vanguard, New York City; June 25, 1961
Original recordings produced by ORRIN KEEPNEWS
■史上初。1曲目の中断された「グロリアズ・ステップ」収録。
■オリジナル・プロデューサー、オリン・キープニュース直筆のレコーディング・データ・シート掲載。
■評論家、岩浪洋三氏による特別寄稿
■日本盤のみデジタルK2を使用した20ビットK2マスタリング&K2レーザー・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド。