今年のクリスマスには、今夏ロードショー公開されたジョージ・A・ロメロ監督の最新作『ランド・オブ・ザ・デッド』ディレクターズ・カット版DVDを購入しました。HMV通販のマルチバイ割引で税込価格3591円でした。お買い得です。
さて、カルトマニアが多いジョージ・A・ロメロ監督のこの『ゾンビ』シリーズの第4作目ですが、映画公開当時はかなり賛否両論で意見が分かれたそうです。たしかに「人物造形の描写が甘い」だの「ストーリーがチャチ過ぎる」「アクション映画としては二流」「ゾンビに生前もっていた生理現象以外の思考能力を持たせるのはルール違反ではないのか?」といった否定派の意見も判らないではないですが、やはりこれはロメロ流の新しい『ゾンビ』映画の解釈だと考えれば、僕は肯定派に廻りたいと思います。観ていて単純に楽しめましたし(笑)。
敢えて苦言を呈すとすれば、ゾンビが人間を食い散らかす残虐シーンなどディレクターズ・カット版として新たに追加されているシーンがDVDには数多く含まれていましたが、本編約97分というのは上映時間としては少し短すぎるきらいは否めませんでしたね。もう少し登場人物の個性が浮き彫りになるシーンがあと幾つか欲しかったのは事実です(苦笑)。人物描写は過去三作品に比べてたしかに甘かった。
あ、それから主人公と共に行動をとる元女性兵士のスラック、なんとあのダリオ・アルジェントの愛娘、アーシア・アルジェントだと後から判ってちょっと驚いてしまいましたが(笑)。いやー、随分とセクシーな女優さんだなとは思いましたが、途中、着替えるシーンで見せた「へそ出し」場面ではなかなか見ごたえのある逞しい腹筋を披露していただけました(笑)。今後はアクション映画でもつかってもらえるのではないでしょうか、但しB級映画の臭いがプンプンしておりますが(苦笑)。
とりあえず僕的には「星四つ☆☆☆☆★」クラスの娯楽映画だと評価しております。『ゾンビ』映画ファンであれば、これは必見です。
最後に主人公がゾンビの行列を見て呟いたセリフ。「彼らも(我々と一緒で)行き場所を探しているんだ・・・」という一言がいつまでも記憶に残りましたね。こういう印象的なセリフは、ロメロ映画ならではの隠し味だと思います。ほかのスプラッタームービー(※古い表現ですね、笑)と一線を画すのは、たぶんこういう「さり気ない一言」の違いなんでしょうね、きっと・・・。