廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★VU 「PSYCHEDELIC SOUNDS FROM THE GYMNASIUM」

2008年11月23日 | LOU REED
 
1966年にメジャーデビュー前のヴェルヴェット・アンダーグラウンドとアンディ・ウォーホールがアセテート盤で制作した貴重な音源が 『Unripened』 =通称「緑バナナ」盤として近年発掘CD化されましたが、今度は1967年4月にNew Yorkの「The Gymnasium」で行われた幻のセッション音源が、同レーベルからオフィシャル発売されました。

少し前に同セッション音源がブートレッグでもリリースされて話題となりましたが、本作ではそのブートに収録されていたものより「GUESS I'M FALLING IN LOVE」と「BOOKER.T.」の2曲多い全6曲収録されている点がミソであります。

音質も良好で、なによりも過去にニューヨーク・タイムズ誌で「最も重要なバンドの最も重要な音源」といわれた幻のセッション音源だけに、こうして手軽に聴ける形でパッケージ販売されたことは大歓迎ではないでしょうか。プロデュースはアンディ・ウォーホール、ジャケットはThe Warhol Organisationによるもの。VUファンであれば、本作は持っていて損のない一枚だと思います。オススメです。


◎THE VELVET UNDERGROUND 『PSYCHEDELIC SOUNDS FROM THE GYMNASIUM』 (XTVCD-144)

01. I'M NOT A YOUNG MAN ANYMORE
02. GUESS I'M FALLING IN LOVE
03. I'M WAITING FOR THE MAN
04. RUN, RUN, RUN
05. SISTER RAY
06. BOOKER.T.




★LOU REED 「BERLIN: LIVE AT ST.ANN’S WAREHOUSE」

2008年11月03日 | LOU REED
 
2006年に制作されたルー・リード主演のロック・ドキュメンタリー映画 『ベルリン』 の中で演奏されたライブ演奏を収録した、ほぼサントラ盤とでも呼ぶべき内容のアルバムがリリースされました。アマゾン輸入盤価格で税込1335円、年明けにはどうやら国内盤CDも無事発売されるようですね。

僕はまだこの映画自体を観ていないので何とも発言がしにくいのですが、映画DVDが発売された暁には、ほとんど無用の長物と化してしまう可能性もなくはないライブ盤でありますが、現時点ではその全貌が見えていないだけに、とても重宝するアリバムであることは間違いありません。オマケにこの値段ですから、とりあえず予習用に買って聴いてみるだけでもその価値は十分あると思いますね(苦笑)

アルバム『ベルリン』の楽曲演奏が終了すると、最後はお決まりの「Sweet Jane」の演奏で大団円を迎えるのですが、これが文句なしにカッコイイんですよねえ!!

1973年から33年振りに再演されたアルバム 『ベルリン』 の楽曲たちですが、アルバム発表当時よりも現在のルー・リードが演奏した方がなぜか心に突き刺さるものが大きいような気がします。力強いライブ演奏というだけでなく、今だからこそ表現できる「ルー・リードの世界観」がきちんと表現できているからこその賜物なのでしょう。とにかく素晴らしいの一言。ルー・リードのファンならば一人残らず聴いていただきたい(もしくは映画を観ていただきたい)ライブ盤です!!



◎LOU REED 『BERLIN:LIVE AT ST.ANN'S WAREHOUSE』 (MATADOR)

01. Intro
02. Berlin
03. Lady Day
04. Men of Good Fortune
05. Caroline Says, Pt. 1
06. How Do You Think It Feels
07. Oh, Jim
08. Caroline Says, Pt. 2
09. The Kids
10. The Bed
11. Sad Song
12. Candy Says
13. Rock Minuet
14. Sweet Jane

Music and Lyrics by Lou Reed

Recorded live at St. Ann's Warehouse, Brooklyn, NYC
December 15 & 16, 2006


★VELVET UNDERGROUND「DISPATCHES FROM DREAM FACTORY」

2008年05月05日 | LOU REED
 
西新宿BTRのゴールデンウィーク20%OFFセール開催中のため、時間の合間をみて西新宿まで出掛けてきました!!

1964年から70年にかけてのデモ音源、ライブ音源、リハーサル音源などをプレスCD3枚組にギュギュっと詰め込んだ名門SCORPIOレーベル渾身のタイトルが発売されました!!税込価格7800円と近作の中ではチトお高めな印象も受けますが、中身はさすがSCORPIOレーベルだけのことはあり、思わず唸らされるような極上音源がこれでもか!と収録されております。

それぞれの収録内容に関しては、僕よりも詳しいVUマニアがゴマンと存在するはずですので、詳細に関しては割愛させていただきますが、それにしても聴き応え満点のまたしても特大ボリュームのアイテムがよく出てきたものです。初期のVU音源なんて、すでに出尽くした感もあったのですが、こうしてみると過去に出回っていた音源なんて、ほんの氷山の一角にしか過ぎなかったのかもしれませんね。今回の音源を聴いていて、まだまだ貴重な音源がどこかに眠っている可能性は大きいはずだと、妙に確信めいたものを覚えました(苦笑)。

さすがに収録されている音源には少々音質面でバラつきがあり、中にはアナログ落としでスクラッチ・ノイズまでしっかり収録されてしまっているものまでありました(苦笑)が、そういうマイナス面を引いたとしても本作は聴くに値する貴重音源集だと思いましたね。もしかしたら、VUマニアな方々には有名な音源なのかもしれませんが、個人的にはこれだけまとまった量の貴重音源を一度に聴けるわけですから便利なことこの上ありません。費用対効果で考えた場合も十分に釣り合いがとれているアイテムなのではないでしょうか。たいへん満足です。

今回も美麗なピクチャーディスク仕様+スリップケース付きの初回限定生産のようですので、気になられた方は早めに購入しておいた方がイイかもしれませんね。万が一、西新宿で売り切れてしまった場合でも、お茶の水の「苺畑」に行けば、まあ当分の間は大丈夫だとは思いますけど(苦笑)




◎THE VELVET UNDERGROUND 『DISPATCHES FROM THE DREAM FACTORY』 (SCORPIO, GPS9)

DISC.1: ERUPTING PLASTIC INEVITABLE
01. WALK ALONE
02. MISS JOANIE LEE
03. THERE SHE COMES AGAIN Ⅰ
04. THERE SHE COMES AGAIN Ⅱ
05. GET IT ON TIME
※REHEARSAL SESSION RECORDED AT THE FACTORY, NYC JANUARY 3, 1966

06. I'LL KEEP IT WITH MINE
07. EUROPEAN SON / SUSIE Q
※RECORDED FILMMAKERS CINEMATEQUE, 125W.41st ST, NYC FEBRUARY 6, 1966

08. HEROIN
09. VENUS IN FURS
10. WAITING FOR THE MAN
11. EUROPEAN SON
12. ALL TOMORROWS PARTIES
※ALTERNATE VERSIONS RECORDED SCEPTER STUDIOS, NYC APRIL 18-23, 1966

13. HEROIN
14. VENUS IN FURS
※RECORDED POOR RICHARDS, 1363 No. SEDGWICK ST, CHICAGO, ILLINOIS JUNE 23, 1966

15. THE OSTRICH
※RECORDED 1964 RELEASED ON PICKWICK CITY PC-9001A
(RSVP 8.2 12-64 MATRIX) BY THE PRIMITIVES


DISC.2: THE VU FROM THE BANDSTAND
01. I'M NOT A YOUNG MAN ANYMORE
02. WAITING FOR THE MAN
03. RUN RUN RUN
04. SISTER RAY
※RECORDED AT THE GYMNASIUM, 424 E.71st. NYC APRIL 1967

05. SWEET SISTER RAY
※RECORDED AT LA CAVE, 10615 EUCLID AVE, CLEVELAND, OHIO APRIL 28, 1968


DISC.3: WARLOCKS DECAPITATING
01. WE'RE GONNA HAVE A REAL GOOD TIME TOGETHER
02. RIDE INTO THE SUN
※DEMO'S RECORDED UNKNOWN LOCATION, LATE 1969

03. SWEET JANE
04. I CAN'T STAND IT
05. SWEET BONNIE BROWN
06. IT'S JUST TOO MUCH
07. HEROIN
08. SOME KINDA LOVE
09. SWEET BONNIE BROWN Ⅱ
10. LISA SAYS
※REHEARSALS RECORDED EITHER AT THE MATRIX OR FAMILY DOG,
SAN FRANCISCO, CALIFORNIA NOVEMBER 1969

11. THAT'S THE STORY OF MY LIFE
12. CANDY SAYS
13. JESUS
14. SUNDAY MORNING
※ORIGINAL FIRST GENERATION TRANSFER OF PERFORMANCES RECORDED AT
THE END OF COLE AVENUE CLUB, DALLAS, TEXAS OCTOBER 18, 1969

15. WAITING FOR THE MAN
16. WHITE LIGHT, WHITE HEAT
※RECORDED UNKNOWN LOCATION, SAN FRANCISCO, CALIFORNIA NOVEMBER 11, 1969

17. OCEAN
※LOU REED DEMO, RECORDED WINTER 1970




★VELVET UNDERGROUND 「BOSTON TEA PARTY 1969」

2007年09月10日 | LOU REED
 
買おうかどうしようか散々迷った挙句に購入したのが、今年7月にスコーピオから発売されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドのライブCD 『BOSTON TEA PARTY 1969』 でした。とりあえず発売開始時にはスルーしておりましたが、ハリーさんのブログ を読んだ後に、なぜか無性に聴いてみたくなり思わず通販で衝動買いしてしまいました。あ、先にご紹介したジミヘンの新作CDと同時注文して送料をタダにしたかったという狙いもあったんですけどね(苦笑)。こちらはプレスCD4枚組で税込価格5800円でした。特製ブックレットなど、とくに何も付いておらずスリップケースに入ったプラケのみという至ってシンプルな仕様でしたけど、CD4枚組でこの価格であれば文句などありません。随分とお買い得でしたね。

収録されている音源はすべて1969年のもので、順に1月10日、3月13日(あ、ウチの親父の誕生日だ!)、3月15日、7月11日の4公演の高音質オーディエンス音源が完全収録されております。この日付をみて「あ!」と思われた方はかなりのVU通ですね。そうです、このうち3月15日は 『THE LEGENDALY GUITAR AMP TAPES』 として超有名な音源で、本作に収録された音源もほとんどヴォーカルが聞き取れない既発盤同様のものでした。現存する最良のマスター・テープからピッチ修正等、丁寧にリマスターされた完全版での収録と謳われているとおり、音質は過去最高(または同等)でこれならば持っていても損はないアイテムです。

僕は前出の 『THE LEGENDALY GUITAR AMP TAPES』 の時も、散々迷った挙句に結局スルーしていたので重複音源もなく、個人的にはよい買い物が出来たと喜んでおります。これもすべてハリーさんのブート・レビューのおかげでございます。たまには購入を迷って時間を置いてから買うというのもイイもんです(苦笑)。

週末にVUの音楽にドップリと浸かりたい!というナイスな紳士には最適の4枚組でしょうね。とにかくド迫力のVUサウンドを心ゆくまで堪能したいという方、本作は必聴ですよ!!オススメです!!


◎VELVET UNDERGROUND 『BOSTON TEA PARTY 1969』 (SCORPIO, 1969-1/2/3/4)

DISC.1: JANUARY 10, 1969
01. Heroin
02. I'm Set Free
03. Run Run Run
04. Waiting For The Man
05. What Goes On
06. I Can't Stand It
07. Candy Says
08. Beginning To See The Light
09. White Light White Heat
10. Pale Blue Eyes
11. Sister Ray

DISC.2: MARCH 13, 1969
01. Move Right In* (JANUARY 10, 1969)
02. Heroin
03. Candy Says
04. Ferryboat Bill
05. Waiting For The Man
06. I'm Set Free
07. What Goes On
08. I Can't Stand It
09. Beginning To See The Light
10. Story Of My Life
11. White Light White Heat
12. Jesus
13. Sister Ray

DISC.3: MARCH 15, 1969
01. I Can't Stand It
02. Waiting For The Man
03. Ferryboat Bill
04. I'm Set Free
05. What Goes On
06. White Light White Heat
07. Beginning To See The Light
08. Jesus
09. Heroin
10. Sister Ray

DISC.4: JULY 11, 1969
01. Waiting For The Man
02. Jesus
03. Run Run Run
04. I'm Set Free
05. White Light White Heat
06. Candy Says
07. Pale Blue Eyes
08. Beginning To See The Light
09. Sister Ray
10. Candy Says** (March 15, 1969)


Lou Reed - Guitar, Vocals
Sterling Morrison - Guitar, Vocal
Doug Yule - Bass, Organ, Vocals
Maureen MOE Tucker - Drums, Vocals





★Lou Reed の名(迷)盤 「Metal Machine Music」 が現代に甦る!

2007年06月19日 | LOU REED
 
以前から噂されていたルー・リードの稀代の名(迷)盤 『Metal Machine Music』 の再現ライブが遂に今秋、オフィシャル発売が決定されたそうです!!しかも、今回のリリースは「CD+DVD」という誰も予想もしていなかった超豪華フォーマットになるんだとか。これは笑えます。ルー・リードのファンであれば、四の五の云わずに黙って即買いアイテムですね、こりゃあ(苦笑)。

1975年にリリースされた問題作 『Metal Machine Music』 をドイツのインプロ系アヴァンギャルド・オーケストラ、Zeitkratzer(※ツァイクラツァーと発音するそうです、苦笑)とルー・リードが共演した夢のコラボレーション。一体どんな再現ライブになったのか、実際に自分の目で観、耳で聴いてみる以外、表現のしようがないと思われますが、ううーむ、どうなんでしょう(※プリティ長嶋風)。

敢えてこの作品を取り上げたぐらいですから、演奏クオリティとしてはたしかに鑑賞に値するのかもしれませんが、それでも相当に苦痛を伴う再現ライブになっていないかどうか、スタジオ作品 『Metal Machine Music』 を知っているだけに正直なところ、かなり不安ではありますよね。

ヴォーカルもメロディも一切なく、ただ延々と全編を通してギターのフィードバック・ノイズが収録された内容は、好意的なルー・リードのファンからも前衛的すぎると総スカンを食ってしまった作品として有名です。ただ実際には、ルー・リードが当時の所属レーベルRCAへの抗議の意味で制作したアルバムなので、そういう意味では「もっとも」な完成度だったのかもしれませんが(笑)。

超難解な内容から、これまでライブでの再現は不可能だと思われてきましたが、独ベルリンの11人編成アヴァンギャルド・オーケストラ=Zeitkratzerが、新たにアコースティック・スコアを書き上げ、2002年にはルー・リード本人も共演参加し、ベルリン・オペラ・ハウスにて奇跡のパフォーマンスが敢行されました。今回リリースされる作品はその時のライヴ・パフォーマンスが収録される模様です。そういえば一時期、ブートレッグで出回った2002年3月20日のヴェニス公演とは会場名が違いますので、どうやらこれは別の日に行なわれたライブ音源のようですね。とりあえず、楽しみです(苦笑)!!




◎ZEITKRATZER (FEAT. LOU REED) 『METAL MACHINE MUSIC』 (Release Date: September 4, 2007)

DISC.1:
track 1 - 16:28
track 2 - 16:28
track 3 - 17:47

DISC.2: DVD(内容未定)

※Recorded live at Maerzmusik, Haus der Berliner Festspiele, March 17, 2002



※コレが1975年に発表されたオリジナル 『Metal Machine Music』 です。今聴いてもシビれます。


★LOU REED 「Hudson River Wind Meditations」

2007年05月05日 | LOU REED
 
4月にすでに入手していたルー・リード名義の新譜 『Hudson River Wind Meditations』 をようやく聴くことができました。今回は予約オーダーした時点で一番安価だったアマゾン輸入盤価格2450円での購入でしたが、現在だともう少し安く手に入るみたいですね(苦笑)。

事前情報がまったくなく、ただ単純にルー・リードの新作が発売されると聞いて、何も考えずにネット注文をかけましたが、これはどう表現したらいいのか判らない問題作でありました(苦笑)。まず最初にこの音楽を聴いて、これはルー・リードの現代版 『(静的)メタル・マシーン・ミュージック』 とでも称すればいいのではないか、と瞬間的に脳裏に思い浮かびましたね。いわゆるヒーリングや環境音楽とでもいいましょうか、何とも例えにくい瞑想音楽の一種ではないかと思いますが、歌や詩の朗読なども一切入っておらず、メロディーらしいメロディーも皆無です(苦笑)。果たしてこれを、瞑想音楽と呼んでしまってもいいものかどうかすら半ば疑問ではありますが。

このアルバムを他のルー・リード作品と同列に扱ってしまうことはかなり危険だと思いますが、どうしても彼のソロ・アルバムとして位置づけなければならないとすれば、やはり問題作 『メタル・マシーン・ミュージック』 と同じグループに入れるしかないかもしれません。音楽自体は似ても似つかないまったくの別物なんですけどね(笑)。

ルー・リード初心者には、まずもってオススメできない作品であることは断言できます。前出の 『メタル・マシーン・ミュージック』 を何度も繰り返し聴くことができるぐらいタフな耳をお持ちの方に、是非聴いてもらいたいメディテーション音楽だと思いますね。実にディープですよ(笑)。

いやー、それにしてもまったくもって取り扱いの難しい、誠に厄介な作品を発表してくれたもんです。でも、それもまたルー・リードの魅力のひとつだったりするんですけどね(苦笑)。ある種の踏み絵のようなものかもしれません、コレは。


◎LOU REED 『Hudson River Wind Meditations』 (SOUNDS TRUE, M1117D)

01. Move Your Heart (28:54)
02. Find Your Note (31:35)
03. Hudson River Wind (Blend The Ambiance) (1:50)
04. Wind Coda (5:23)

Total Running Time 67:46





※ルー・リードの 公式サイトはコチラ です。


★THE WARRIOR HEART OF THE VELVET UNDERGROUND

2007年03月18日 | LOU REED
 
音楽仲間である TKさんのブログ でも紹介されておりました、日本人ミュージシャンによるVELVET UNDERGROUND(※以下、VU)のカヴァー集 『THE WARRIOR HEART OF THE VELVET UNDERGROUND』 を入手しました。非売品の私家版であるとのことですが、きちんとしたプレスCD2枚組で、CDジャケットもカラープリンターを使った簡易なものではなく、下手なインディーズ盤CDよりも作りはしっかりとしております。

さて、肝心の内容でございますが、VUファンの有志によるトリビュート音源を集めたコンピレーション盤で、ディスク1に14曲、ディスク2に8曲(+シークレット・トラック1曲)が収録されております。それぞれ録音した日時も場所も異なるため、曲によっては少々散漫なイメージも感じましたが、それもVUカヴァー集であるということを考えると、かえって生々しい音に感じられて、作品そのものの狙いとしてこの方が正しい選択だったかもしれません。聴きようによってはVU関連のレア音源集的な聴き方も可能だと思いますし。

参加しているミュージシャンに関しては、残念ながら僕が知っているバンド名はひとつもありませんでしたが、多少バラつきはあるものの、レベルの高い演奏がこれだけ収録されていましたので、日本のインディーズ・シーンのレベルの高さはやはり世界随一なのではないかな、と率直に思いました。音楽業界のプロとアマチュアの境界線が一番ハッキリとしないのが、もしかしたらこの日本なのかもしれませんね。それだけハイレベルな演奏が本盤には集結されておりましたっ!!

ヴォーカルが日本人ゆえ、オリジナルに比べて英語歌詞の発音の弱さはたしかに感じられましたが、それもVUのカヴァーだと自然に聴き入れることができましたね。アマチュアリズムが功を奏した良い事例だと思います。ま、VUだって元々はアマチュアバンドで、アンディ・ウォーホールに引き揚げられた格好でメジャーシーンにデビューしていますからね。そういう意味では、逆にアマチュアらしさを前面に打ち出しているバンドの方が、この企画アルバムのコンセプトに合っていたのかもしれません。これまで数種類のVUトリビュート盤を聴いてきましたが、手作り感覚とでも云いましょうか、そういう意味では、数あるVUトリビュート盤の中でも、本盤が一番VUに対する愛情を感じられたのは事実であります。

そうそう、本盤には今回僕が聴かせていただいたステレオ・バージョン盤のほかに、同時に制作されたモノラル・バージョンも存在するようです。VUの場合、ステレオとモノラルでは、その楽曲の顔自体がまったく異なって見えてくる稀有なバンドですので、機会があれば是非モノラル・バージョンとの聴き比べもしてみたいな~と思いましたね。

で、個人的に一番気に入った演奏ですが、インスト部分で極めてハードな演奏を披露しているディスク1の2曲目「Europiean Son」が、なかでもとりわけ出色だったと思いますね。この演奏はかなりキテます!!1曲目からヴォリュームを大きくしたままで聴いておりましたら、いきなりスピーカーから轟音が聴こえてきて、思わず座っていたソファーからズリ落ちそうになりましたから(苦笑)。想像していた以上に強烈なカヴァー演奏で、いやもうサイコーの一言でした!!ちなみに、この曲を演奏をしているアーティスト「紅茶!/ Kocha!」さんのレコーディング・データを拝見したら、録音日時は「朝起きて、すぐっ!」と書かれておりましたので、いやー朝からこれだけのハイテンションな演奏ができるとは、ううーむ、やはりタダ者ではないな(苦笑)、と思いましたね。できれば、もっとこのほかの演奏も聴いてみたい!と思いましたので、どこかでこのバンド名を見つけた方は要チェックですぞー!!


◎V.A. 『THE WARRIOR HEART OF THE VELVET UNDERGROUND』 (ANOTHER ROLLING STONE RECORDS, ARSR6-0002-1/2 STEREO)

Disc.1:
01. After Hours / marguerite bleu
02. European Son / 紅茶っ!/ Koucha!
03. Ride Into The Sun / ariomi morimoto
04. Run Run Run / warsawpact
05. Who Loves The Sun / flower mama records
06. Ocean ~ What Goes On / ミヨシハルキ (Miyoshi Haruki)
07. All Tomorrow's Parties / BIG FOREST YB
08. I'm Waiting For The Man / Cobalt
09. White Light / White Heat / 花ノ丞 (Hananojoe)
10. Here She Comes Now / EYESCREAM I
11. Lou Reed / WILLIAM'S ELECTRIC JET LUNCH
12. Foggy Notion [clouded mix] / THE SLUDGE
13. Melody Laughter / UP-TIGHT
14. Sunday Morning / SHIN-SEINEN

Disc.2:
01. アンディのバナナ(Acoustic)/ANDY NO BANANA (Acoustic) / EYESCREAM II
02. The Black Angels Death Song / DENKI-ANE
03. The Murder Mystery / LDY
04. I'm Waiting For The Man / BIG ORANGE
05. Sunday Morning / daisyblue
06. What Goes On / eco eco cycles
07. Sister Ray / Shinobu Goto
08. The Warrior Heart Of The Velvet Underground
09. MRI / kusyn (*secret track)

2006/12/10 avairable.Limited Edition 1000 copies (MONO 500 + STEREO 500)
初回限定50セットのみ生バナナ付き特殊仕様 The first 50 copies only limited with real banana.

非売品・私家版 Not For Sale/For Friends Only Private CD




★THE VELVET UNDERGROUND & NICO「黒バナナ」登場っ!!

2005年08月30日 | LOU REED
 
これはまたスゴイブツが登場して来ました!ご存じヴェルヴェット・アンダーグラウンドの激レア音源をプレスCD3枚組にまとめた『ULTIMATE MONO & ACETATES ALBUM』がコレです。しかも初回限定100セットのみ、シリアルナンバー入りのスペシャルDVD-R付きです。西新宿のBTRで税込価格6200円(会員割引)で購入しました。僕のシリアルナンバーは「024/100」でした。

とにかく収録内容がマニア向けです。正規リリースされたファーストアルバム以外のモノミックス全音源と、公式アルバムリリースの陰に埋もれてしまった当時のメンバーしか聴くことが出来なかった制作段階でのアセテイトミックスを、惜し気もなく残らずすべて収録したなんとも衝撃的なCDセットです。いやはや、残っているところにはやっぱり残っているんですねー。正直、驚きました(笑)!!

まずディスク1は、モーリン・タッカーがファーストアルバムのレコーディング時に持ち帰ったと云われるアセテイト盤からのアウトテイクが収録されています。スピーカーからいきなり針音がバリバリと鳴り響き、うーむ、これは早まった買い物をしたかとやや後悔の念が‥‥(苦笑)。でも心配ご無用です。音ネタの状態があまり良くないので、音質自体はあまり期待できませんが、それでもファーストのミックスバランスそのままで、なんと演奏や歌が違うトラックが収録されているじゃありませんかー!!ファースト関連は残された音源も少なく、ましてやアルバムのアウトテイクなどは絶対に聴くことが出来ないだろうと諦めていた音源がココにありました。1曲目「ヘロイン」の演奏が始まった途端、もう鳥肌ものです。歌詞も微妙に違いますし、なんなんでしょ、これは(苦笑)もはや笑いながら鑑賞するしかありません。天使の微笑みです。うう、本当に激レアですわ。この後に収録されているプロモシングルカットのモノバージョンは音質最高ですが、近年オフィシャルリリースもされた音源ですので、ま、あくまでもこれは蛇足ですね。

ディスク2は、セカンドアルバムのモノラルミックス盤からダイレクトマスタリングにて全曲を収録。US盤プロモリリースで極少数のみプレスされたといういわくつきのアイテムで、元々音が悪いと評判のセカンドですが、このモノミックスはいいですね。名曲「シスターレイ」では、かき消されてしまうモーリンのドラムなども非常にクリアなミックスで収録されております。さらにセカンドからのプロモモノシングルをオリジナル盤より全曲収録です。

続いて収録された音源は、先日亡くなった故スターリング・モリソン氏の自宅を整理していた際にクローゼットから出て来たという幻のアセテイト盤からのオルタネイトミックスです。一説によるとこの音源はダグ・ユール氏からの提供だそうです(真偽の程は?)。なんでもこの盤はスターリング・モリソンがコーラスの練習のためにレコーディングの途中でカッティングして持ち帰ったものだそうです。ファーストほどではないですが明らかにヴォーカル、コーラスを始めとした別テイク、ミックス違いトラックです。これは貴重です。そしてサードアルバム唯一の公式モノテイクであるプロモEPから2曲を収録。ちなみに「ホワット・ゴーズ・オン」のモノミックスはアルバム収録バージョンとは収録時間もまったく違うの完全別ミックスですね。

そしてディスク3は、お待ちかねの『ローデッド』です。年代的に存在するはずがないと思われていたローデッドのオリジナルモノラルミックスをフルLPバージョンで収録しています。これは当時、大手AMラジオ局へプロモーション用として数十枚だけテストプレスされた盤からダイレクト収録されています。しかもただ単にステレオ音源をモノラル化しただけではないオリジナルミックス盤です。後に手を加えられる過剰な装飾は抑えられ、タイトなリズムを中心としたヴォーカル主体のミックスは、真のヴェルヴェットの『ローデッド』を聴くようで感動的です。公式盤では聴き取りにくいルーのヴォーカルの細かな息使いなど、とてもリアルに聴こえるので、一聴しただけでは「え?テイク違いもあったの?」と思えてしまうほどです。ちなみにこのテストプレス盤は、現在世界中にも2枚しか存在しておらず、ファンサイト等でも確認されていない激レアアイテムのため、本邦初公開の完全未発表音源でもあります。最後には『ローデッド』からのプロモEP、モノトラックを2曲が収録されています。

うーん、それにしても内容が濃いですね。ここまで書いてその質と量に圧倒されました。本来ならば公式盤のデラックス・エディションシリーズからでもボックスセットとして発売されるべきアイテムですよね、コレは(笑)。ボーナス・ディスクのDVD-Rは、数年前に正規リリースされ話題を呼んだヴェルヴェット解散後初のコラボであるルー、ジョン、ニコによるパリでの1972年ライブです。画質はお世辞にもあまり良くはありませんが、当時そこから5曲が放映されたテレビ番組を丸ごとノーカットで収録しています!これは嬉しいオマケでした。初回限定100セットのみということですから、どうしても欲しい方は早めに購入しておいた方がイイと思いますよ!!

もはやこれ以上云うことなし。空前絶後のヴェルヴェットアンダーグラウンド激レア音源集3CD+DVD-Rのリリースでありました。ふぅ~、疲れた(笑)。たしかに全編、聴き通すだけでも結構、体力使いますよ、この3枚組は(苦笑)。


◎THE VELVET UNDERGROUND & NICO『ULTIMATE MONO & ACETATES ALBUM』(NSCD-001/2/3)

DISC.1:
THE VELVET UNDERGROUND & NICO ACETATE VERSION
Taken From Moe Tucker's Acetate EPS. Alternate Versions Of The Album The Velvet Underground & Nico
01. Heroin
02. Femme Fatale
03. Venus In Furs
04. I'm Waiting For A Man
05. Run Run Run
06. European Son
07. Black Angel's Death Song
08. All Tomorrow's Parties
09. I'll Be Your Mirror

THE VELVET UNDERGROUND & NICO SINGLES
10. All Tomorrow's Parties
11. I'll Be Your Mirror
12. Sunday Morning

DISC.2:
WHITE LIGHT/WHITE HEAT MONO VERSION
Promotional Only Us Release White Label LP
01. White Light/White Heat
02. Gift
03. Lady Godiva's Operation
04. There She Goes Again
05. I Heard Call My Name
06. Sister Ray

WHITE LIGHT/WHITE HEAT SINGLES
Promotional Only Us Release Ep Mono Version
07. White Light/White Heat
08. Here She Comes Now

THE VELVET UNDERGROUND ACETATE VERSION
Taken From Sterling Morrison's Acetate Eps. It Found In Sterling's Closet After His Death Alternate Mix Of The Album Thevelvet Underground
09. Jesus
10. I'm Set Free
11. Beginning To See The Light
12. After Hours

THE VELVET UNDERGROUND SINGLES
Promotional Only Us Release Ep Mono Version. These Are Only Mono Version Of This Album's Official Release
13. What Goes On
14. Jesus

DISC.3:
LOADED MONO VERSION
Test Pressing Lp For Few Famous Am Radio Station Different Mix Of The Album Loaded
01. Who Loves The Sun
02. Sweet Jane
03. Rock'n Roll
04. Cool It Down
05. New Age
06. Head Held High
07. Lonesome Cowboy Bill
08. I Found A Reason
09. Train Round The Bend
10. Oh! Sweet Nothin'

LOADED MONO SINGLES
Promotional Only Us Release Ep Mono Version
11. Who Loves The Sun
12. Oh! Sweet Nothin'