1971年8月16日、今はなき田園コロシアムで行われた伝説のライヴを収録したアルバムがこの『FREE with PYG』です。PYGと聞いて「ん?」と何が何だか判らない人も多いかもしれませんが、GSムーブメントの終焉後、元タイガース(沢田研二、岸部修三)・スパイダース(井上尭之、大野克夫)・テンプターズ(萩原健一、大口広司)からの選抜メンバー6名で結成されたスーパーグループがこのPYGです。今考えると本当に信じられない超豪華なメンバーを集めて、プロダクションの強引なアプローチで無理矢理作ってしまったような印象を受けますが(笑)。狂熱のGSブームが過ぎ去り、日本にもサイケデリックなニューロックブームが新たに巻き起こっていた時代だけに、元GSのアイドル的存在だった彼らには相当辛い時期だったことは想像に難くはありません。その当時の締め付けの反動もあったんだと思いますが、ストーンズからディープ・パープル、フリー、トラフィック、マウンテン、果てはレッド・ツェッペリンまで絶叫カヴァーしまくってしまった訳ですから、これはもう笑いを通り越して感心してしまうこと間違いなしです(苦笑)、いや本当に!!寄せ集めスーパーグループの宿命でやはり短命に終わってしまったPYGでありましたが、この当時の閉塞した日本の音楽業界の象徴的存在として、歴史上に名前を残してしまったのも事実であります。今聴いたらかなり感慨深いものがありますよね、やっぱり(笑)。ジュリーとショーケンの若かりし日々を追体験してみたい若いリスナーには是非聴いてもらいたい日本のロックの黎明期ライヴ名盤であります。ショーケンが唄う「ラヴ・イン・ヴェイン」を聴いて、涙して下さい(いろんな意味で)!!
◎PYG 『FREE with PYG』 (POLYDOR, POCH-1353)
DISC.1:
01. ブラック・ナイト
02. ウォーキング・マイ・シャドウ
03. エヴリー・マザーズ・サン
04. カントリー・コンフォート
05. ビッチ
06. スピード・キング
07. カウボーイ
08. ラヴ・イン・ヴェイン
09. トゥ・ラヴ・サムバディ
10. トラヴェリン・イン・ザ・ダーク
DISC.2:
01. 淋しさをわかりかけた時
02. 戻れない道
03. 何もない部屋
04. 悪魔 (シンパティー・フォー・デビル)
05. アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー
06. 自由に歩いて愛して
07. ハイヤー
08. ゴナ・リーヴ・ユー
09. 祈る
確かに凄いですね!
あのメンバーによる演奏がしっかりしてるんで、萩原さんぶっ飛んじゃってもぐちゃぐちゃにならないでかっこいいんですね。
ドン・ファンの頃の萩原さんの歌の飛び方も凄かった。
ジュリーと萩原さん、音楽を選んだのは確かにジュリーだけど、ロッカーだったのは萩原さんですね。
ジュリーはロックが凄く好きな人なんで、萩原さんの凄さがよくわかってると思う。
萩原さんのようになれない自分、たぶんベスト・テン番組で電飾つけながらコンプレックス持ってたんじゃないかな?
イギー・ポップになれない自分にコンプレックス持って、ジギー・スターダストになったボウイみたいにね。
でも萩原さん、うちの町内ではあまりぶっ飛ばないでほしいです。
毎度コメント、どうもです。
たしかにこのPYGにおけるジュリーとショーケン、
ツートップスの立ち位置は微妙に食い違っていたように見えますね。
たしかにジュリーはミュージシャンとして
今後どのような身の振り方になるのか、
真剣に取り組んでいる様子がうかがえる一方、
ショーケンはどちらかというと俳優業に比重をおいて、
ロックもついでに楽しんでいるといった感じがしますね、
失礼な発言ですけど(苦笑)。
但し、TVドラマではショーケンに一日の長があったものの、
こと映画に関して云えばショーケンよりもジュリーの方が恵まれていたかもしれません。
僕が大好きな映画『太陽を盗んだ男』は日本映画史上にも残る
エンターテイメント映画の傑作だったと今でも思ってます。
好きです。ショーケンは音楽に対しては映画ほど
求道的でなかったかもしれませんが、ジュリーは
熱心だったと思います。同じアフターG.S.である、
ロック・パイロットの「ブルージーン・ブルース」
における曲作りには度肝抜かれました。