★EUGENIUS 「oomalama & Tireless Wireless」

　
さて、久し振りの廃盤ネタでございますが、今回はちょっとマニア度が高いユージニアスについて語りたいと思います。というか、ユージニアスというバンド自体、どれくらい知名度があるのか、甚だ疑問なのではありますが（苦笑）。

今回取り上げてみたいのは、1992年に英国 Fire Recordsからリリースされ、その後まったく売れなかったのか、長らく廃盤の憂き目に遭っていたユージニアス名義のアルバム 『oomalama』 です。

しかも、今回ネタとして取り上げたいのは、オリジナルで発売された単体ＣＤではなく、なんとなくジャケットの雰囲気が微妙に違う、２枚組ＣＤの限定盤仕様のものであります。目を凝らしてジャケットをよ～く見てみると、ボーナスディスクがどうやら入っているみたいです。

今回、追加収録されたボーナス音源ですが、特典として付いたボーナスディスクのほか、ディスク１枚目（本編）にもシングル発売された曲が、実は５曲分収録されております。これはユージニアスというバンド名を名乗る前に、キャプテン・アメリカ名義でUK盤発売したものの、すぐさま製造中止・廃盤回収されてしまった幻のシングル盤２枚からのボーナス曲収録となります。

回収騒動となったのは、このキャプテン・アメリカという名称使用に関する訴訟が原因で、たぶん敗訴した結果、裁判所の判断からこのような店頭回収騒ぎにまで発展したのが実情ではないかと思われます。不良品以外で輸入盤の国内店頭回収にまで発展した例としては非常に珍しい一例だと思います。というか、こういう紛らわしい名称で堂々とオフィシャル発売に踏み切ってしまったというのもスゴイのですが（苦笑）。元々、インディーズ界のカリスマ的存在であったユージン・ケリー率いるリーダーバンドの作品でしたので、名称使用に対する認識が甘かったのが最大の原因なんじゃないでしょうかね（笑）。

さて、ディスク２枚目に関してですが、約18分間強という短さながら、全６曲の貴重な未発表スタジオライヴ音源が収録されたボーナスディスクとなっております。これはありがたい特典ですね！

音源はジャケットに「Eugenius Radio Sessions」と書かれているだけで詳しい録音日時などは一切不明なのでありますが、そんな些細なことなどまったく問題にならないぐらいに素晴らしい貴重な未発表セッションライヴ音源だと思いました。現在のところ、僕は自分で購入したUK盤の輸入盤でしか、この２枚組仕様のCDを見たことがありません（というかオリジナル盤ＣＤも現在は廃盤のようです）ので、もしかしたら入手はかなり困難かもしれません。気長に輸入盤店を廻って探してみるしか方法はないのかな？

このバンドを紹介する際に、非常に分かりやすい文章がユージン自身の言葉でブックレット内に書かれておりましたので、英原文のままですが、一文だけ書き写してみます。

Inspired by Teenage Fanclub this new band of mine was going to be scuzzy guitar pop borrowing some chords,noise and hair styling from Neil Young and Crazy Horse,the Byrds and Big Star. (Eugene Kelly)

ね、なんとなく聴きたくなってきたでしょ？
実に不思議な魅力があります、このユージン・ケリーという男は（笑）。


◎EUGENIUS 『oomalama & Tireless Wireless (Eugenius Radio Sessions)』 (Fire Records)

DISC ONE
01. oomalama
02. breakfast
03. one's too many
04. bed-in
05. hot dog
06. down on me
07. flame on
08. here i go
09. i'm in the sun
10. buttermilk
11. bye bye

BONUS TRACKS
12. wow
13. wannabee
14. god bless les paul
15. indian summer
16. i won't try

DISC TWO
01. sex sux
02. one's too many
03. here i go
04. oomalama
05. molly's lips
06. indian summer