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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

再び高原の風に

2011年07月16日 | ドライブ
風たちぬ、いざ生きめやも。
堀辰雄がサナトリゥム生活の中で呟き、かつ作品化した台詞である。



風が流れ、肌をすべっていく。
汗がスッと引き、快感が走る。
生きようと思う。



ハート形の雲である。

堀辰夫のその感性は、高原の風を知らなければ理解できないかもしれない。
同時にまた、サナトリゥム生活の寂しさこそが吐き出した台詞でもあるのだと思うのである。



車山の山頂にある神社である。
ちゃんと4本の御柱が立っている。

この場所を離れたくない!
情念が迸り、悲しいほどの切なさが迫ってくる。

堀辰雄が感じた風は、軽井沢である。



ぼくはいま、信州の車山高原の風を満腔に受けている。
この涼しさをどうしたら伝えられるだろうか。



堀辰雄のように、活字で伝えられないもどかしさを感じている。

「風たちぬ、いざ生きめやも」

エピローグを綴りながら、洒落た台詞一つ吐き出せないでモノローグをまき散らしている愚かなる老体である。

若い頃はイデオローグであったのだけれど・・・。



車山では、ニッコウキスゲが咲き始めている。
この瞬間でも、爽やかな風に吹かれているであろう車山山頂である。





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