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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

腐女子、うっかりゲイに告る。~ゲイと腐女子は理解し合えるのか? 藤野涼子、金子大地の演技が光る新しい青春ドラマ!

2019年04月25日 | 学園・青春ドラマ
 安藤純(金子大地)はゲイ。
 三浦紗枝(藤野涼子)は腐女子。
 作品はそんなふたりの理解とすれ違いを描く。

 すれ違いはこうだ。
 沙枝はゲイをBL小説やコミックに描かれているような『ファンタジー』として見ているが、純はつらくドロドロしたもので、決して『ファンタジー』などではないことを知っている。
 実際、純は世界に違和感を抱き、理解されない孤独に苛まれ、妻子ある年上の男性の恋人・佐々木誠、通称マコトさん(谷原章介)とつき合っていることに悩んでいる。

 しかし、純と沙枝が理解し合える瞬間もある。
 沙枝は『腐女子』であることを知られ、中学時代、気持ち悪がられ友だちをなくしていた。
 知られたら困る秘密を持っていることでは純と沙枝は同じだ。
 あるいはこんな言葉。
 純は沙枝に言う。
「友だちが言ってたんだ。
 人間は自分が理解できるように世界を簡単にしてしまうものなんだって。
 僕はそうしたくない。わかったふりをしたくない。
 三浦さんを腐女子だからこういう人なんだと決めつけたくない」

『人間は自分が理解できるように世界を簡単にしてしまう』
 いわゆる『レッテル貼り』ってやつですが、確かにこうならないように注意したいですね。

 この純の言葉を受けて沙枝は腐女子が世界をどう理解するかを語る。
 先輩が後輩を叱っているサラリーマンを見れば、腐女子はふたりは恋人同士で、先輩は後輩になかなか会えないことを怒っていると妄想する(笑)
 避雷針と雷は恋人同士だし、地面と地面に落ちた木の葉、噴水と噴水の水もそう(笑)
 純は沙枝が見ている世界を面白く思う。
 こうしてふたりは少しずつ理解し合っていく。
 ………………

『おっさんずラブ』以来、テレビドラマ界ではゲイがちょっとしたブームですね。
『きのう何食べた?』~西島秀俊さん、内野聖陽さんのゲイの演技、上手いなあ。
『俺のスカート、どこ行った?』~こちらは古田新太さん。
 出版界やアニメ界ではBLブームはすでにピークを過ぎた気がするが、テレビ界は遅れている。
 相変わらずの刑事、医者、弁護士ものばかりで新ジャンルになかなか手を出さない。
 新ジャンルの一作品がヒットすると、後追いで手を出す。
 そんなゲイものの中で、この作品『腐女子、うっかりゲイに告る。』は主人公たちの心の中をていねいに誠実に描いている。
 時間は30分なのに密度も濃い。

 それと、沙枝役の藤野涼子さん、上手いなあ。
『ソロモンの指輪』『ひよっこ』
 素朴で芯のある女の子を演じさせたら彼女の右に出る者はいない。
 沙枝はアニメの限定グッズの購入に純を強引に誘うようなオープンな子だが、手放し明るさでない、抑えた演技がゾクゾクさせる。

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