平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

1925年の明智小五郎~ドラマで江戸川乱歩の世界を忠実に再現! 明智小五郎役は満島ひかりさん!

2019年04月13日 | 推理・サスペンスドラマ
 NHKは、報道は最悪だが、ドラマやドキュメンタリーは秀逸なものを創る。
『江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎』(土曜日よる11時30分~0時)もそのひとつだ。

 まず探偵・明智小五郎を女優の満島ひかりさんが演じている。
 なるほど~、そういう手で来たか。
 上手い裏切り方だ。
 このジェンダーレスな試みが作品に独特の雰囲気を与えている。

 原作の文章もそのまま使われている。
 先週放送された『D坂の殺人事件』では──
「君の考えはなかなか面白いですよ。僕は君のような友だちを見つけたことをうれしく思いますよ。
 しかし惜しいことには、君の推理はあまりに外面的で、そして物質的ですよ」
「僕のやり方は、君とは少し違うのです。
 物質的な証拠なんてものは、解釈の仕方でどうにでもなるものですよ。
 いちばんいい探偵法は、心理的に人の心の奥底を見抜くことです」

 こう言って明智は『心理的な人の心の奥底を見抜く』推理で真相を語るのだが、せりふが原作どおりなのがいい。
 乱歩が原作で書いているミュンスターベルヒの『心理学と犯罪』のくだりなども省略せずに描かれている。
 構成も、(上)事実 (下)推理 という形でテロップが挿入されて原作どおり。
 そう、この作品は映像で見て読む江戸川乱歩短編集なのだ。

 その他にもイラストやミニチュアの人形が使われたり、作劇がともかくシュールで破格。
 NHKだから時代考証もハンパでない。当時の風俗や町並みがよくかわる。

 それにしても江戸川乱歩ってすごいねえ。
『D坂の殺人事件』は大正十四年(1925年)に発表されたが、ほぼ100年経った今でも色あせず、存在感があり、現在のクリエイターを刺激している。
 これまでにも乱歩作品はさまざまなアプローチで創られてきた。

 さて、本日(4/13)の放送は『心理試験』。
 どのような映像が展開されるか?

コメント
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