平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第14回 「新世界」~人は生きて、さまざまな種を撒く。四三、治五郎、永井らの撒いたスポーツの種が現在、花開いた

2019年04月15日 | 大河ドラマ・時代劇
「時代は変わったんですよ。
 日本が、東京が変わってしまった」

 明治から大正へ。
 日本に戻った四三(中村勘九郎)は違和感を抱く。
 まだ、自分はストックホルムにいるのではないかと考えてしまう。
 そう、四三はストックホルムにいた時のままで、まったく変わっていないのだ。

 一方、人はどんどん変わっていく。
 永井道明(杉本哲太)は『日本人の体格の改良』という目標を見出し、体操と肋木を推進しようとしている。
 それは嘉納治五郎(役所広司)のスポーツと武道路線とは違ったものだ。
 可児(古舘寛治)もそんな中、『円形デッドボール』に面白さを見出した。
 天狗倶楽部もオトナになって卒業宣言。
 人は動き、社会は動く。

 四三は4年後のベルリンオリンピックを目指すという目標を抱いたが、それは永井たちが推進する『日本人の体格の改良』路線とはすこし違うようだ。
 永井たちが目指すのは個人の勝利よりは日本人全体の進化。
 4年後よりは50年後、100年後。
 永井は、四三に『選手』というよりは、オリンピックで走った経験を知識にして伝える『指導者』になることを求めている。
 四三が次のオリンピックで優勝して『日本スポーツ界の黎明の鐘』になったとしても、それは『日本人の体格の改良』には繋がらない。

 面白いですね、このギャップ。
 永井にしてみれば、期待していた分、四三と三島弥彦(生田斗真)の敗退はショックだったのだろう。
 今のままはダメだと思った。

 一方、このギャップを四三はどのように埋めていくのか?
 故郷・熊本の兄(中村獅童)は、四三に教師になって身を固めることを望んでいるようだし、弥彦は『選手』と『天狗』をやめ、アメリカにスポーツを学びにいく方向に舵を切ったし。
 四三は弥彦とニュース映画を見て、ストックホルムの自分を確認したが、いつまでも過去にこだわっているわけにはいかない。

 人は生きて、さまざまな種をまく。
 嘉納治五郎と永井道明は日本の体育をつくり、四三はマラソンを残し、可児先生はドッジボールを残した。
 四三が持ち帰った槍や砲丸は、野口(永山絢斗)ら高等師範学校の学生の興味を引き出した。

 さて僕たちは未来のためにどんな種をまくのか?

コメント (2)
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