平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

悪魔を憐れむ歌 エミリー・ローズ

2008年08月26日 | 洋画
★「悪魔を憐れむ歌」
 連続殺人事件。
 犯人は毒を盛り殺害すると胸に文字を書く。
 犯人はリース(エリアス・コーティアス)。
 彼は敏腕刑事のジョン・ホブス(デンゼル・ワシントン)によって逮捕され、死刑になるが、「俺は戻ってくる」という不気味な言葉を言い残す。
 そして数日後、毒を盛り胸に文字を書く同様の殺人事件が起こる。
 ホブスは模倣犯の仕業として事件を追うが……。

 推理ドラマとオカルトが融合した作品。
 この連続殺人事件を模倣犯(コピーキャット)の事件としても描くことが出来るが、敢えてオカルト要素を持ってきた。

 この連続殺人事件を行っているのは悪魔のアザゼル。
 人の体に乗り移って自由に操ることが出来る。
 アザゼルは自分の存在に気づき始めたホブスを葬り去るために、殺人事件を起こしホブスを犯人に仕立て上げようとする。
 ホブスとアザゼルの戦い。
 ローリング・ストーンズの名曲「Time Is On My Side」が効果的に使われている。

 推理ドラマ×オカルト
 この作品は違ったジャンルのものを掛け合わせることで新しいストーリーが生まれることを教えてくれる。

★「エミリー・ローズ」
 もうひとつオカルトと掛け合わせた作品「エミリー・ローズ」。
 これは法廷ドラマ×オカルト。
 実際にあったエクソシスト裁判をモチーフにしているらしいが切り口がいい。

 物語は次の様なもの。
 神父による悪魔払いを受けた女子大生エミリー(ジェニファー・カーペンター)が死亡し、過失致死罪で起訴された神父ムーア(トム・ウィルキンソン)は法廷で裁かれることに。
 原告の検事は「ムーア神父が精神病の治療をやめさせ、悪魔払いの儀式を行わなければエミリーは助かっていた」と主張し、弁護側は「悪魔は確かにいて精神病の治療は悪魔払いにマイナスでしかなかった」と主張する。

 ここで描かれる対立は、エミリーは悪魔に取り憑かれたのか?精神病だったのか?という対立だ。
 科学の時代の常識で考えれば「精神病」の判断が正しいのだろうが、見ているうちに「本当にそうなのか?今の科学は万能で正しいのか?」と思えてくる。
 例えば今の科学とは別の科学体系があってもいい。
 錬金術や魔術は荒唐無稽なものとして打ち捨てられてきたが、錬金術や魔術から生み出される別の体系の可能性も考えられる。
 人間の脳はまだ一部しか使われていないというのだから。
 また普段我々は目に見えるものを正しいと思うけれど、目に見えないものについても考えてみるべきではないか?
 そんなことをこの作品は考えさせてくれる。
 
 テーマが逸れてしまったが、推理ドラマ×オカルト、法廷ドラマ×オカルト、異質なものを掛け合わせることで新しい物語が誕生する。


コメント
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