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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花嫁とパパ 第6回

2007年05月16日 | ホームドラマ
 賢太郎(時任三郎)と愛子(石原さとみ)、ふたりの親子関係をこの作品は様々な角度から描いてみせる。
 例えば、社会人となった愛子。
 例えば、誠二(田口淳之介)という恋人が出来た愛子。
 それは「プロポーズ大作戦」で、物語が進行するにつれ、健と礼の気持ちが近づいていく物語作りとは大きく違っている。
 ふたりは既に親と子として愛し合い、信頼し合っている。
 この関係にどんな要素を入れ込めば、ふたりはどんな反応をするか?というのがこの作品の作劇だ。
 そして今回は賢太郎が「子離れ」をしたら、どうなるかという物語。
 愛子は賢太郎のことを「ますます変になった」とリアクション。普通の家庭ならわりと当たり前のことなのに。
 そして誠二の母親に言われたことで落ち込み、相談しようとする愛子を突っぱねる賢太郎。
「俺は愛子のことを信頼している。自分たちのことは自分たちで解決しろ」と言う。
 そこで描かれるのは、父親に突っぱねられて途方に暮れる無力な愛子だ。
 父親なしの愛子が初めて味わう試練。
 賢太郎のことをウザく思い、自立したがっていた愛子が初めて感じる父親のありがたさ。
 ある関係を様々な角度から描くことによって見てくる真実。生まれるドラマ。
 面白い作劇だ。

 また、今回の「子離れ」は愛子の成長に繋がる試練の様だ。
 過去の作品で言うと、「巨人の星」の飛雄馬と一徹。「エースをねらえ!」のひろみと死んだ宗方コーチ。
 この試練を通して愛子は強く大人になっていくのだろう。
「愛子との関係が大事で、親のことなんか関係ない」と言う誠二に「それは違う」という愛子。
 愛子はこれから誠二の母親の説得のために動き出すのだろう。

 そしてもうひとつの動き。
 室長・鳴海駿一(小泉孝太郎)の仕事ラインの物語。
 家の出来事と仕事の出来事。
 このふたつのストーリーラインのバランスもいい。

★追記
 誠二の嘘がばれるせりふはなかなかうまい。
 前日に母親に会っている愛子。
「息子とは結婚させられない。着物より洋服が似合う」と言われる。
 そんなことも知らずに嘘を話す誠二。
「愛子に早く会いたい。写メで撮った写真を見せたら、きっと着物が似合うと言っていた」
 この「着物が似合う」のくだりは嘘を決定づけるせりふだ。
 母親とのせりふのディティルが伏線になっている。


コメント
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