桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・12・5

2011年12月06日 | Weblog
そのクリニックの受付をすませてソファに腰掛けた俺の眼に、前のソファに坐って雑誌を読んでいる一人の女性の姿が飛び込んできた。冬だというのに半透明のヒラヒラとした短いスカートからスラッとした美脚を伸ばしているその女性は、顔もアイドル顔負けの可愛さ。ちょっとやばいでしょ?こんな魅力の持ち主が打合せに来たら、プロデューサーや演出家はひとたまりもないぜ、と猥褻な妄想を膨らませていたのは、俺が席だけ置かして貰っている脚本家連盟の健康診断がこのクリニックであったから。でも、やがて何だかおかしいと思い出す。彼女だけじゃなく、他に集まっている女性も皆それ相応に魅力的で若い。それにいてもおかしくない知り合いの脚本家が誰一人いない。どうしてだ?と思っている内に、このクリニックが脚本家連盟の健康診断だけじゃなく一般の健康診断も同時に行っていることに気づく。なんだ?そうだったかと何故俺がガッカリしたのか自分でも分からない。そんなアイドル顔負けの美脚の脚本家がいるのならもう一度プロの作家としてカンパックして彼女と知り合いになろうとでも思ったのか?いやいや、とんでもない。もう俺の出番じゃないことは分かっている。それに一瞬彼女の美脚に目を奪われてしまったけど、今日の俺の最大の関心事は下血。金土と二日続けて便器が鮮血で染まったというのに、昨日も今朝も便は正常。なんか出血が続かない方が怖い。そのことを問診をしてくれた若い女医に説明する。すると、この若い女医は心配だから俺が一カ月前に大腸の内視鏡検査をしてくれた美人女医に念の為もう一度診察を受けた方がいいとアドバイスしてくれる。うーん、またあの美人女医と美人検査技師にお尻の穴の中を診られるのかと思うと気が重くなって、検便の結果がでたら先生が診てくれませんか?と思わず頼んでいたのだが、こう書くといかにもこの女医が美人じゃないみたいだけど、彼女も眼鏡をとれば魅力的な女医さんだろうと想像できたことを書き添えておかなくちゃ。昼前に部屋に帰る。Mがいたので久しぶりに豚のしょうが焼き、湯豆腐、サラダ、渡り蟹の味噌汁で食事。体の調子もよくないけど、俺は精神も情緒不安定。仕事の能率も捗らないのでこんな時は仮眠するに限ると30分ほど寝てから4時過ぎに店へ。実をいうと別に5時過ぎでもよかったのだけど、数日前から映写機のランプ寿命がきていることを知らせるサインが点灯していたので、こうやって早くきた時にランプの取り替え作業をしようと思ったのだ。何故たかがランプの取り替え作業程度のことで大袈裟に騒ぐかというと、映写機は天井から下がっていて、このランプを取り替えるには自分の背丈ほどの脚立の一番上まで昇って作業しなくてはならず、且つそれがプラスとマイナスのドライバーを使ってやる細かい作業の為、去年なんかバランスを崩して脚立から転倒しかかったことがあるのだ。以前は業者にきて取り替えて貰っていたけど、出張工事費に二万以上もかかってしまうし、ここは命を張るしかない。でも、今年は何とか落ちることもなく成功。ホッと安堵するが、緊張が解けると今度は疲労感がドッと押し寄せてきて、64歳のお年頃はホント難しい。そして11時すぎまでにお客さんは六人だけ。このことにも疲れて、今日は早く終わろうと11時半には閉店の準備をしていたら、12時近くになって近所にある制作会社DのOさんたちが来店。こうなったらトコトンつきあってしまえと2時すぎまでお喋り。それにしてもこのDという制作会社。今日来たNさん初め演出家プロデューサーカメラマンを含め女性スタッフは皆美人ばかり。採用基準がどうかなっているんじゃないかと社長であるOさんを責め立てて、今日一日の疲れを癒す。