桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・12・2

2011年12月03日 | Weblog
今朝起きた時の俺の気分は大袈裟にいうと「戦争前夜」、いや「戦争」はその日の夕方に始まる予定だったから正確にいうと「戦争当日」だ。今日は俺の母校北園高校の同期会とそれとは別のクラス会が同時にあって、合わせて予約が約40人。そして他に脚本家のNさんが三人でいくからすき焼を用意しておいてくれと昨日電話があり、且つ年末の金曜日だし、突然どんな人びとが何人で来るか分からない。でも、まぁ、こんなことはこれまでにもあったけど、一昨日Mは突然店を辞めることになったし、O君は劇団の稽古の都合で5時過ぎにしか店に入ることが出来ないし、同期会は6時開始だけど、年齢的に暇を持て余している年頃なので、5時過ぎにきてしまわないとも限らない(事実5時半には第一陣が到着した)。ということは5時前には会場セッティングを終わらせていなくてはならなかったし、料理の殆どを作っておかなくてはならなかったのに、ふとしたミスから午後の時間をあるユニットにスペースレンタルしてしまって、4時半にしか会場は開かないことに気づいたもんだから、一時は呆然となる。でも、ボーとしている訳にいかない。とにかくちゃんとご飯を食べよう。ここで食べておかないと、閉店するまで今日はロクなものを食べることができなそうだったので、焦る気持ちをグッと押えてサバの煮付け、この間徳島土産にHさんからいただいたジャコのニンニクバター炒め、きゅうりとプチトマトのもずくサラダ、市販のごぼうの漬け物、納豆、冷凍しておいた渡り蟹としじみの海鮮味噌汁などでご飯を二膳しっかり食べる。そしていただきものだけど玉露のお茶を時間をかけていただく。この日記とお金の計算は暇だった夕べの内にやっておいたので、食後はこれもしなくてもいいのに日課になっているポルトガル語で日記を四行書く。そして午後2時、立ち上がる。いよいよ「戦線」へ向かう。まずは六本木についてパーティですき焼をやるのに必要なガスコンロが壊れてしまったので量販店で買い求める。そしてスーパーでは約二キロ分の牛肉とすき焼や他の料理の材料、約2万円分を買って両手ばかりか、いつも持っている鞄にまで食材を突っ込み、肩に重みを食い込ませから3時半には店へ。4時半にスペースを使っている人たちが引き揚げるまでにトイレ掃除やバーカウンターの掃除などをすませ、O君が来るまでの間にできる限りの料理の下拵えをする。そしてスペースが空いた途端に30人分の同期会の会場作り、バースペースのテーブル席にちょっと窮屈だけど9人分のクラス会のセッテイングと、喫煙スペース、荷物置き場などを作る。それが終わる頃にぽつぽつと参加者たちが集まりかけていたので、今度は出勤してきたO君に頑張って貰って料理のピッチを早め、ドリンクサービスの準備も整えて、何とか同期会クラス会が始まったが、料理が間に合わないで焦る。幸いというか、すき焼を用意しておけというNさんの予約がキャンセルになったのでホッとする。この戦争状態の中ですき焼を作り、気難しいNさんの相手なんかしていられない。それでも代わりにイチゲンのカップルが入ってきたりして、パーティが終わった10時近くまでは戦争状態が続くことになったが、そんな中この日記を読んで同情してくれた美人OLのJ子さんが差し入れに稲荷寿司を持って顔を見せてくれたのは、大袈裟にいうと涙ものだった。ちょっと、いやかなり人の情に飢えている。そしてO君がフル稼働してくれて11時半までには全ての後片付けを終了。彼の踏ん張りにも感謝。他にお客さんは近所のドキュメンタリー制作会社のYさん、Oさん、Kさんと新人のI君、続いて法律事務所勤務のNさん、遅い時間にTテレビのプロデューサーのOさん。一般のお客さんは金曜日にしては少なかったけど、これで多かったら絶対パニックになっていたと思うと是としなくては。最後まで残ったOさんとJ子さんは気が置けない二人なので、漸くホッしてお喋り。お金をいただいてこっちが気を休めてどうするんだ?と内心のことを無視して一時半すぎまで。その後ゴミ捨ても含めて全ての後片づけが終わったのは2時半近く。縋るようにカウンターに座り込むと、お腹が空いているのに気づいて、J子さんからいただいた稲荷寿司を食べる。長い一日が終わった。