とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

尾道千光寺

2007-05-27 22:33:18 | 写真日記
 土曜日に岡山で会議が入りました。岡山というのは何度も行っている所なのですが、自分の足で歩いたことがないので、いい機会ということでもう1泊することにしました。自宅からだと高速を飛ばして、3時間半くらいだし、現地に着いてからのアクセスを考えると車で行くことにしました。

 朝早く出発しました。通勤割引を使う方が有利なのかもしれないという欲目を出して100㎞付近で高速を下りることにしました。時間もあるのでこのまましばらく一般道を旅するのもいいかな?と思い、高速を下りました。これが失敗の始まりでした。山陽自動車道は海岸付近を走っているという思いこみをしていました。三原で下りるととんでも山の中でした。三原市内までくねくねとした道を通らなければいけません。三原の港風景を撮影する気力すら失っていました。

 しばらく走ると尾道の標識が見えてきました。「尾道の方が絵になる!」と決めて尾道に向かいました。尾道も思ったより遠くて尾道に入った時には、岡山の会議の時間が気になりはじめていました。尾道の町をゆっくり散策するだけに時間はないようなので、一度も行ったことがない千光寺に行くことにしました。

 千光寺へはロープウェーがあるのですが、車で上がることにしました。時間も早かったせいで駐車場もガラガラでどこにでも停められる状態でした。車から下りて標識にしたがって歩いていくと観覧車が見えてきます。すっかりさびついてみすぼらしい観覧車です。きっと現役なんだろうけど、万博の事故を経験するとますます乗る人は少なくなるのではないかと思いました。



 千光寺という道標を目当てに歩を進めるといきなり眼下に海が開けてきます。この日は黄砂の影響でどんより曇っているのが残念ですが、見下ろす尾道水道はなかなかのものです。

 

 もう少し歩を進めると岩の間に松の根が入り込んだ大きな岩が目に入ります。「岩割り松」です。すぐ横には頼山陽の歌が掘られています。

 

 頼山陽の歌碑を見ながらある記憶が蘇ってきました。小学校の時に山本有三の「次郎物語」をテレビドラマとしてNHKが放送していました。当時は暗いストーリーだという印象をもっていました。その主題歌の一部に「松の根は岩を砕いて生きていく」という歌詞があります。この歌詞を聴いて、「一念岩をも通す」その意味について作文を書いて先生にほめられたことを思い出しました。でも、本当に感動したのではなく、こんなことを書くと、先生に評価されることをわかっていて書いたところがあります。小学2年生か、3年生のことだったと思いますが、すでに小賢しい嫌な少年だったのです。大人の意図を先に察知し、付け焼き刃でその時だけやり過ごすという幼い時の記憶が蘇って少しいやな気になりました。

 そのすぐ近くに巨岩があり、眼下に海が広がります。鼓岩というそうです。



 しばらく行くと最初のお堂があります。三十三観音堂です。お堂の正面には木で作られた大きな念珠があります。珠の数は108あり、念じながらゆっくり引くと珠が上から落ちてきてカチカチと音がします。この音で煩悩が打ち消されるということになるそうです。でも引っ張るたびに落ちてくる珠のカチカチという音は、「養護学校の教材に最適だろうな?自閉症の子どもたちは喜びそうだな」という思いを強くしました。山口の瑠璃光寺にもこれと同じものがあります。一つほしいものです。



 本堂の横には奇岩三重岩があります。とにかく石だらけの山でその山に寺の建物があるというそんな感じです。住職によると、寺が建つ前から巨岩に対する信仰はすでにあって、だから岩そのものを破壊するわけにはいかなかったということのようです。ただし岩に対する信仰は仏教ではなく、神道か、別のアニミズムかわかりません。



 鎖場のついた大きな岩がありました。名前は何と石鎚山となっています。四国の霊場でなだかい石鎚山に登ったと同じ御利益があると書いてありました。何というご都合主義でしょうか。四国のお札所参りに代わるというお地蔵さんはよく見ますが、ここにもまた…という思いがありました。でもせっかくだから山頂に登ることにしました。



 二つに割れてそれが寄り添うように立っている石、札を見る前からわかります。夫婦石です。このような対のものを見ると必ずこのタイトルをつけたくなるようですね。そのくらい夫婦というのは、一緒に居続けるのが難しいということでしょうか。



 本堂を過ぎると大師堂の前に「日常の五心」という札がはってありました。その五つはどれも非常に道徳的なもので、どういうときにということではなく、無条件に持ち続けるというものだと思います。私にはとうてい無理だと思うし、無条件には思いたくない。



 鐘楼がありました。誰彼となくつかれないようにひもで縛ってありました。この位置から鳴らす鐘の音は尾道中響き渡るのではないかと思わせました。そういえば除夜の鐘としてテレビで聞いたことがあるような気がしました。



 とにかく駆け足で見てきて、駐車場の前の売店で「尾道ラーメン」のご当地限定というお土産を買って岡山に向かいました。    

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