パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

11人いる!

2012-11-24 13:29:21 | Weblog
 11人の党首インタビューは,結局、ニュースでほんの一部を見ただけだが、全部見てみたかったと思わせるものだった。

 マスコミ,評論家たちがオブザーバー的に11人に質問をしていたが、慎太郎に対し、日中関係悪化のきっかけを作った人物という前提で質問をしていた。

 しかし,私は、前から何度も書いているように、日本国政府が尖閣諸島を国有化したことが日中関係悪化の原因だと思っている。

 もちろん、ずっと以前から「国有地」だったら、悪化のきっかけなんかにはならない。

 あくまでも、民間人の所有を、武力を有する国の所有に「変えた」ことがトラブルの原因なのだ。

 人間の目には「差異」だけが見えるという、構造主義の原理そのままのことが起きただけだ。

 国有化をするか否かを政府内で議論した際には、外務省の担当者は、都の所有地にしておいた方が得策ではないかと言ったそうだが、残念ながら野田はバカで、「差異」概念なんか全然理解できないため、ナショナリストの石原が保有するより自分のようなリベラル(ぷ)が所有した方が中国も受け入れられるだろうという理由で「国有地」にしてしまった。

 そもそも都が所有するということに、どういう意味があるのか、よくわからないが、尖閣諸島の行政担当が沖縄県から都に変わるということではないだろう。

 東京都尖閣郡なんてことになるのではないだろう。

 ということは、あえて言えば,石原慎太郎個人が買ったってよかったはずだ。

 いや,それが一番よかったかもしれない。

 中国政府、マスコミは石原慎太郎を口をきわめて非難するだろうが、それだけのことで、中国政府に対する「言い訳」はいくらでもできる。

 石原慎太郎は軍隊をもっていないから、何にもできません、何かしたら、国が彼を抑制しますとか。

 その一方、石原はヨットマンとして、尖閣諸島に「船だまり」をつくりたいと言っていたので、そのようにさせ、中国政府が文句を言ってきたら「船だまりは中国の漁民にも解放します」と言って、尖閣諸島周域での中国の漁業権を日本国として認めれば、中国政府がいくら文句を言っても国際世論は、日本国政府を支持するだろう。

 石原個人ではなく,都が所有しても、そんなに大きくは違わないだろう。

 ともかく、石原慎太郎のせいで日中関係が悪化したと決めつけるのは、到底知識人の名に値しない、浅薄な見方というしかない。

 その後、「朝生」を見たが、共産党と社民党がみっともないこと限りない。

 大事な問題がいくらでもあるのに、石原の暴走を止めるのがすべての課題を優先すると言わんばかりの「頭の固さ」であった。

 私に言わせれば、石原の主張そのものがそんなに多くの支持を集めるとは思えない。

 それを石原老人の暴走ばかりに注目してしまうのは、愚かというしかないが、しかし昔から「社共」はそうだったのだ。

 「護憲」さえできれば、あとは関係ないと言わんばかり。

 「社共」は、口では「未来」というが、「未来」とは「可能性」のことを言うので、例えば石原慎太郎が「核のシミュレーションくらいしたらいい」というのは、まさに「可能性」のことを言っているので、その限りでまったく正当な要求だと思う。

 もっとも実際には核保有のシミュレーションは防衛官僚たちはとっくにやっていると思うし、石原慎太郎もそのことはわかっているとは思うのだが、だとしたら、石原の焦りは,知識人としての焦り、不満かもしれない。

 「可能性」を考えないということは、「考えない」ということに等しいのだから、知識人として,到底耐えられないことだ。

 「朝生」における「社共」の醜態は、まさに「考えない人」の醜態であった。

 なんだか、石原を擁護するようなかたちになってしまったが、あくまでも石原を知識人と仮定した上の話である。