パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

朝日の意見

2012-11-21 22:37:20 | Weblog
 一昨日あたりだったか、沖縄の那覇市の旧市長、翁長氏が朝日新聞でインタビューを受けていた。

 インタビュー記事というのは、半分はインタビューをした方の意向が反映される。

 何故なら、インタビュー記事をまとめるのは、インタビューをした方であって、インタビューされた方は、それをチェックして、自分の意思と反する内容だったら当然、訂正するが、記事に新たに自分の意思を付け加えるということは、ないことはないけれど、基本的に、しない。

 逆に、インタビュアーである朝日新聞の意思と反する意見は、記事にする際にカットできるし,カットしなくても、インタビュアーの意見として「それはちょっと私たちの意見とは違います」というニュアンスを付け加えることができる。

 だから,朝日新聞に載るインタビュー記事は、朝日の意見と思って、まあいいわけだ。

 それで、その翁長氏インタビュー記事に窺える「朝日の意見」というのは、まあ、ネトウヨ風に言えば「反日」なわけだが、元自民党だという翁長氏の「反日」ぶりは、朝日の思惑をはるかに越えている印象があった。

 彼ら、沖縄人が怒っているのは,決して米軍の犯罪ではない。

 彼らが怒っているのは,日本政府であって、「米兵の犯罪」は、その口実に過ぎない。

 それくらいは,当然、現日本政府である民主党もわかっているだろう……と思うのだが、でも、野田や、岡田、そして朝日新聞みたいなナルシストでは、それはないだろう。

 石原慎太郎みたいな右翼が所有するより、穏健で良心的でリベラルな私たちが尖閣諸島を所有したほうが、中国の理解を得ることができるだろうなんて甘っちょろいことを考えるくらいなのだから。

 一地方知事の行動と国の行動は,意味がまるで違うのだが、それを民主党はわかっていなかったようだ。

 それはともかく、そのインタビュー記事で、朝日新聞が、沖縄では「沖縄独立」が叫ばれているようだが、と水を向けたのだ。

 ということは、朝日は「沖縄は独立した方がいい」と言いたいのか?

 だとしたら、珍しくも私と同意見だが、そうでもないようで、よくわからないのだが、翁長氏の反応は、朝日の思惑を越えていたように思う。

 できれば,独立したいですよ、と言っていたか、ちょっと覚えていないのだが、でもそんな印象が紙面からうかがえた。

 もちろん、沖縄が独立して、アメリカ軍が撤退するわけはないけれど、先に書いた通り、沖縄人が不信感を抱いているのは、日本人に対してなので、案外、すんなり基地の存続を容認するような気がする。

 あるいは、独立とまではいかなくても、ある種、外交特権のようなものを与えるとか、逆に米州の一つになるとか。

 そうなったら,私は喜んで沖縄国に移民しちゃうのだけれど(古い知り合いが多く沖縄に半ば移住してしまっているし、沖縄で旧交を温めますか)、まあ、それはともかく、これくらいの可能性を念頭においてことに当たらなければ,この問題は解決しないし、それにそのほうが、話が面白いのではないか。

 一週間くらい前、NHKで、ウルグアイでコシヒカリの普及に精を出している日本人のことを紹介していたが、なんでウルグアイかというと、結局、費用が断然安いからのようだった。

 しかし,その安いコシヒカリを日本に輸出することはできない。

 輸出しても、関税がかかるから、日本のコシヒカリと同じ額になる。

 じゃあ、なんのためにウルグアイでコシヒカリを作るのか。

 日本大使は、「日本の食料安全保障のためにもいい」と言っていたが、意味不明。

 その日本大使館館で開かれた「コシヒカリ試食会」の様子を見ている限り、皆外人さんなので、愛想良く、「おいしいで~す」みたいなことをスペイン語で言っていたが、「試食会」に来たこと自体、「大使のお招きに、来ないわけにはいかないから来ました」といった感じで、コシヒカリの南米普及は到底望み薄だと思った。

 そもそも日本の米が高い(デフレで物価が安くなっているというけれど、日本の物価,特に食料は、卵は安いと思うが、依然,圧倒的に高いと思う)から、海外で安くつくって輸入するという話なら少しわかるのだが、そういうビジョンがなく、日本の市場を解放するには抵抗が大きいが、日本が世界に開かれていなければならないというお題目を引っ込めるわけにもいかないので、国内農家から反発を受ける危険のない、「コシヒカリの生産技術の海外普及」を紹介して、お茶を濁そうという陳腐なコンセプトしか見えなかった。
 
 嘉田滋賀県知事の「旗揚げ」で、けっこう面白くなりそうだが、マスコミは相変わらず、小沢攻撃。

 本当に変わらなければいけないのはマスコミだということをマスコミに知らしめるにはどうしたらよいのか,思案中だ。