パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

関電値上げの論理

2012-11-23 01:00:37 | Weblog
 関西電力が、原発が動かせないので原油を輸入した代金が嵩んだので、電力値上げ申請をしたそうだが、なんか腑に落ちない。

 そもそも電力会社の原価計算方法が変なのだということは漠然と聞いているのだが、会計のことはよくわからないので、「おかしい」ということしかわからないのだが、2chに格好な答えが出ていたので、抜き書きしておく。

 電気料金の設定方法で、総括原価方式ってのが問題。
 この総括原価方式はわかりやすく言うと電気の原価として
 ①燃料費
 ②諸経費(人件費とか光熱費など)
 ③施設維持費(福利厚生施設の維持費や宣伝費、裁判費用など)
 ④最低利益率(企業として最低保証された利益)
 を計上できるということ。
 ちなみに普通の民間企業では①と②をもって原価と言う。
 んで④最低利益率というのは全体の原価に%で積算するので、むしろ燃料費が高いと電力会社は儲かる
 軽く調べればわかるが日本はガスや原油に限らずウラン燃料も世界最高値で購入している。
 実に馬鹿げた話ではある

 「燃料費が高い分,電力会社は儲かる」が、今回はいろいろ事情があるので、その「儲け」の部分を小さくしました、という話でしかないわけだ、今回の関西電力の「値上げ申請」は。

 否否、それは,こちらが好意的に解釈しての話。

 「どうせ経産省から安くしろと言われるだろうから,今日のところは、法的に認められている数字を出しておこう」ということで出した数字なのだろう。 

 と思うと、醜い電力会社の経営者の顔がさらに醜く見える。

 それで、彼らが原発に固執する理由だが、2chの回答は以下の通り。

 総括原価方式だから、コストを膨らました方が利益が増える。
 廃炉費用を積んだら債務超過になるから、経営者は任期中に廃炉を決断できない。

 なるほど。

 昔,ソ連では機械の値段を重さで決めていたため、重い機械ばかり作っていたという話を読んだことがあるが、それと同じことが日本で行われているわけだ。

 ソ連は実質的にチェルノブイリで崩壊したと言われるが、日本の官僚社会主義もフクシマで滅びるだろうし、滅びなければならない。

 そもそも原発をはじめたのは電力会社の意志ではなく、政府が国策として決定したもの。

 電力会社が民間会社として原発を事業展開するのは、日本のような地震国,台風の通り道にある国土では無理な話なので、やりたくなかったが、中曽根や正力松太郎などに命令されてはじめた事業。

  民間会社が自発的にはじめるわけがない過大な事業で、何かあったら国が面倒を見るからと言ってくれたので、はじめたのだろう。

 そういう「負い目」が政府にあるから、あまり強いことを言えないのだろうが、しかし原発の安全運転に失敗したことは、明らかに電力会社の責任なのだから、菅が東電をつぶさなかったことは大いに禍根の残るところだ。

 今になって、東電批判を言ってみたところで,負け犬の遠吠え。

 本当のところは気が小さい男なのだろう。

 その点、嘉田女史は、かなり芯が強く、度胸もありそうなので、政権を取ったら「事故の後片付けは全部国の責任でやるから東電は発電事業から撤退、送電管理会社になってください」くらい言うかもしれない。

 ちなみに上記の2chの「回答」は、関電の値上げ申請に「反原発派が原発を止めるから、燃料代がかさんで値上げになった」と反原発を非難する、電力会社の言い分をそのまま認める頭の弱いネトウヨの群ればかりという状況に、たぶんどこかの院生が釘を刺すために書き込んだものだと思う。

 こういう有益な書き込みが時々あるので、まだ2chを見ているわけだ。