パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

めでたしめでたし

2012-01-24 00:44:45 | Weblog
 「経済コラムマガジン」というブログがある。

 いわゆるリフレ派というか、日本はデフレなのだから、積極財政で景気回復をはかれという主張で、その筋では、結構名物コラムである。

 定期的に月2~3回更新され、それがだいぶ長く続いているので、その「流れ」を見るだけでも価値はある(と思う)。

 その主張自体については、まあ、いろいろ言う人はあると思うのだが、去年12月の半ば頃の記事は面白かった。

 それは小林慶一郎という「経済コラムマガジン」とは反対に、日本の財政破綻を防ぐには増税しかないという持論をもっている人で、大学の教授に加えて朝日新聞の論説委員なんかもやっている人だが、その小林教授の、上手の手から水が漏れたというか「語るに落ちた」発言を日本経済新聞かなにかで書いたのを、コラム氏から突っ込まれているのである。

 どんな発言か。

 同コラムによると、小林教授は「財政破綻」とは何かという、本質的なことを書いているのだが、それによると、これ以上財政支出削減をしたくても無理、増税も無理という状態において、国債を発行し、これを中央銀行(日銀)が買入れる他は手段のなくなった事態、これが「財政破綻」であると定義しているのだそうだ。

 「経済コラムマガジン」氏は言う。

 なんだ、それは私らが10年以上前から主張していることじゃないか、と。

 つまり、論者の一方は、日本は財政破綻しているのだから大量の日本国債を政府が発行し、日銀が買い入れるように主張し、反対論者は「まだ破綻していないからそんなことをする必要はない」と言い続けてきたが、その反対論者も、どうやら日本政府は財政破綻した、あるいはしつつある、ということで一致したというわけだ。

 めでたしめでたし。

 いや、ほんとうに。

 願わくば、さらに「経済コラムマガジン」氏の年来の主張――「政府紙幣の発行」に突き進めばいいのだ。

 それはさておき、マスコミでは、完全に小林慶一郎式論理のみが流通し、経済コラムマガジン式論理はまったく一顧だにされていないが、ネット上では両派が活発に論議を交わしている。

 マスコミもそろそろ、この「現実」に気づかないといけない。

 ところで、全然話題が変わるが、新幹線。

 日本人はこれを大いに誇りに思っているらしいが、あれって、日本のためになっているのか?

 昔は東京から大阪まで八時間だったが、現在は三時間くらいか。

 私は貧乏で新幹線に乗った事なんかあまりないので、よくわからないのだが、東京から大阪まで六時間くらいで充分ではないかと思う。

 三時間で行けて、どこがいいのかというと、エレベーターで閉ボタンを必ず押す日本人の性格にあっている、というだけではないのか。

 地方の住民は、新幹線が開通すると大喜びするらしいが、新幹線が開通してから日本の地方はどうなったか。

 いわゆる「ストロー効果」で、寂れるばかりではないか。

 そういう意見は、実は開通前にもあったのだが、みんな忘れている。

 といっても、今さら新幹線を廃止するわけにもいかないだろうから、最低、今の半額、つまり、新幹線特急料金を廃止せよと言いたい。

 高速道路の無料化は当分無くなったみたいだが、代わりに低価格飛行機便が一般化し、新幹線も「値下げ」を余儀なくされることに期待したい。

 あと、もう一つ言っておきたい。

 近々総選挙があるみたいだが、私は、以前から言っているように、消費税増税そのものには反対ではない。

 特に、今後の年金問題のためには、消費税を上げざるを得ないということはわかっている。

 消費税は、金持ちで年金をもらっているジジイもババアも公平に負担することになるからだ。

 賦課方式を止めて、積み立て式にしたいと言う事だが、だとしたら、無年金の私だって、これまで120万円くらいは払っているので、その分くらい払ってもらえるのだろうな、え、どうなんだい、民主党。

 ともかく、今後の計画をはっきり示せと言いたい。

 飯田何とかという若手経済学者が、今の民主党の言い分は「商品の中身をしらせずに代金を要求しているようなもの」と言っていたが、全くその通り。

 まず商品の中身を教えろ、そしてそれから、その是非を問うて、解散総選挙をせよと言いたい。

 でなければ、そもそも投票できないではないか。

 まあ、野田が、増税が最優先、それが確立できれば民主党の未来なんかどうでもいい、と考えているのなら話は別だが、あの顔を見ていると、そんな風に考えているようでもあるので(民主党より日本が大事とか、まあ、そうなんだけどね)、いずれそれが露見して失脚するのを期待するか。