パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

the arts of gaman

2010-11-11 22:21:16 | Weblog
 仙石にちょっと期待、というのは、いきなり君子豹変することがありそうなことと、グランドデザインをもっているんじゃないかという、「イメージ」がありそうな感じがしたのだが、どうもよくわからない。

 完全に菅のバカを嘗め切っていることは確かなようだが、本当にしたいことが何なのか…マスコミが考えているより,デカイことを考えていそうなのだが…。

 賞味期限表示の撤廃なんか、小さいことだけれど、「流れ」としては重要だと思うのでやってほしい。

 ちょっと前までは電車内に新聞がいくらでも落ちていたから、買う必要なんかなかったのだが、今は全然落ちていない。

 あれも、「賞味期限切れ」の一種なんだろう。

 嫌な世の中だ。

 ミレーの落ち穂拾いって絵があるけれど、あれは、落ちた穀物は「貧乏人のもの」なので、そのままにしておかなければならないという習慣があり、その光景を描いたものだと聞いたことがある。

 元来は、聖書に書いてあるのだろうが、「チップ制度」なんかもその流れなんだろう。

 日本にはチップ制度がないので、ほっとすると外国人がよく言うみたいだが、あれは、社交辞令がかなり入っているのだろう。

 日本には貧乏人はいないそうだよ、くすくす、って。

 死後30年以上も年金をもらい続けた人に、裁判官が、「許されない行為、このような犯罪行為を蔓延させないためにも厳罰の必要がある」と、執行猶予付きだろうが、有罪となった。

 「有罪」はしょうがないにしても、冷たい世の中だなあと思う。

 話は飛ぶが、NHKのクローズアップ現代で、第二次大戦中、収容所に入れられた日系アメリカ人たちが、身の回りのもので、様々な「芸術品」を作ったが、それを集めた、「the arts of gaman」という展覧会が開かれ、アメリカで話題を呼んで
るという。

 少しだけ紹介されていたが、いや見事なものだった。

 アナウンサーと、ゲストの山田太一は、「日本人として誇りに思う」と言っていたが、それはそう思ってもいいだけのものではあると思うけれど、あれが素晴らしいのは、日本人が手先が器用だとか、我慢の精神がすばらしいとか、そういうことではなく、全財産を没収されたため、目の前にあるものに、文字通り「身体一つ」で対応せざるを得なかったこと、そして、対応したことによって「本物の芸術」が創造されたことがすごいのだ。

 それをなさしめたのが、「我慢の精神」だとしたら、我慢の精神は素晴らしい。

 ブレヒト曰く「乏しさはどんな富者にもなし得ないほど現実に肉薄することを可能にする」ことの実例、「貧乏は正しい」ことの実例なのだ。


 ところで、海保の保安官は、なんで、テレビ局にDVDを送りつけなかったのだろう?

 マスコミがビビったら、その段階で,ユーチューブに流すという手もあったはず。

 最初から,マスコミは眼中になかったのかもしれない。