パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

高尚な日々

2010-08-16 22:06:11 | Weblog
 暑い。

 木造モルタルの2階で回りに日差しを遮る建物はなく、エアコンなし。

 夏になる前に編集作業を終えるつもりでいたので、エアコンなくても大丈夫だろうと考えていたのだが、いまだに終わらない。

 でも、本当にもうすぐ終わる。

 取り組んでいるのは、ハイデガー、フロイト、ベンヤミンの現代思想難解3人衆だが、中でも意外なことにハイデガーが一番わかりやすい。

 最初から、性が合うというか、「存在の明るみ」とか言われても、「ハハーン」って思うところがあるから。

 しかし、三人とも、どんなにわけのわからない文章でも、「間違えているはずはない」と思って取り組めば、読んでいるうちに必ず「腑に落ちてくる」のがすごい。

 水道橋の古本屋で「紅楼夢」全3巻が1000円だったので即購入。

 中巻の前半あたりから読み継いでいるのだが、相変わらず、なんでこんなに面白いのだろうと不思議に思うぐらい、面白い。

 ただ男の子が親戚の女の子と遊び回っているだけの話なんだけど。

 同じ古本屋でフロベールの「感情教育」岩波文庫上下を200円で購入。

 もともと絶版本で、1900円の値札がついていたが、それが900円に書き換えられ、さらに200円になっていた。

 上巻は別の古本屋のワゴンセールで買い、読んだら結構面白かったのだが、下巻がどこを探してもなかったのだった。

 「感情教育」は、フロベールが「ボヴァリー夫人」よりこっちを読んでくれと懇願した作品だが、上巻の最初から読み返すと、さすがに最初っからきちっと書いている。

 当たり前か。

 掲載論文の書き直しで頭が疲れると、「感情教育」や「紅楼夢」をひもとく。

 疲れが癒される。

 いやはや、なんとも高尚ですね~。