パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

メイドインジャパンも故障する

2010-08-08 19:28:48 | Weblog
 恐れていたことが起きてしまった。」

 外付けのハードディスクがいきなり壊れてしまったのだ。

 電源ランプは点灯しているのだが、画面に表示されず、USBケーブルを変えても、パソコンを変えてもまったく反応しない。

 外付けのハードディスクというものを、私は、本質的にはCDとかUSBメモリー等と同じ、「記憶装置」と考えていた。

 したがって、「壊れる」という観念が希薄だった。

 それで、今つくっている写真集の「写真データ」は、全部外付けに入れていた。

 パソコン本体には入れておかなかったのだ。

 なぜなら、量がむやみに多い。

 載せている写真だけで500点以上ある。

 だから、載せないのも含めれば、ゆうに数千点、多分、最低でも2000枚はある。

 それを、今はまあ落ち着いたのだけれど、少し前まで、入れたり削ったり、また新たにスキャンしたりと、毎日変動するので、それをいちいち本体と外付け両方に記憶させるのは面倒だし、いざとなったら、現物は残っているからそれを再度スキャンすればいい。

 手間は大変だが、そんなことは滅多にないだろう、なぜなら、外付けハードディスクとは「記憶メディア」の一種なのだから、そんなに故障はないだろう。

 「故障するとしたらパソコン本体」という思い込みが強かったわけだ。

 実際、しょっちゅうフリーズするし。

 ところが、いきなり突然何の前触れもなしに、ぶっ壊れたのだ。

 解説書を引っ張りだしたら、まず第1に、「バックアップを必ずとっておいてください」とあった。

 いや、普通は皆「バックアップのため」に外付けハードディスクを購入していると思うのだが…。

 盲点だなあ。

 保障は1年だが、保障を使って故障を直そうとすると、データそのものが失われる。

 メーカーはアイオーデータだから、「モノづくり大国ニッポン」の象徴みたいな会社だろう。

 私は決してアイオーだから安心と思う根拠はないと思うが、まあ、昨今の「モノづくり大国ニッポン」のかけ声を念頭に、まあ、そんなに言うなら信じてやろうじゃないの、という気持ちがどこかにあった。

 そして、この外付けハードディスクが壊れたその日、国産のサーキュレーターが壊れた。

 一年しか使っていないのに。

 メイドインチャイナのほうがよっぽどいい…とまでは別に思わないが、私が常日頃、「モノづくり大国ニッポン」のスローガンを嘲笑していた理由はここにある。

 「モノづくり大国ニッポン」を呼称して、なんのメリットがあるのだということだ。

 誰もが、そんなにえらそうに言うなら、メイドインジャパン製品は絶対に故障しないと思いかねない。

 ところが、実際には当然のことながら、必ず故障する。

 これは絶対に避けられないことだ。

 だとしたら、むやみに「モノづくり大国ニッポン」を叫ぶことは、実際に故障が起きた時、そしてそれは必ず起こるのだが、使用者の不信を不必要に過大に招いてしまわないかということだ。

 もし本当に自信があるのだったら、永久保証を付けるべきだろう。

 いや、それは現実的な話ではありませんよ、メイドインジャパン製品だって故障はしますから、と担当者は言うだろうが、だったら、誇らしげに言うな、ってことだ。

 みんなに顰蹙を買うだけで、何のメリットもない、ただ「自己満足」だけの児戯に類することをするなってことだ。

 とまあ、正直言って「八つ当たり」のところもないではないのだが、つい今しがた、念のためにということで外付けを起動してみたら、ちゃんと認識された。

 オー、なんてこったい。

 昨日、徹夜で再スキャンのために資料整理を行い、今日も汗だくでだいたい七割がたまとめたところなのに。

 ともかく、急遽、外付けから本体にコピーすることにしたが、必要なものだけということで、時間はだいたい1時間くらい。

 作業終了を待ちながら、こうして書き込んでいるのだが、「モノづくり大国ニッポン」がスローガンとして、自己満足を煽るだけで全く無意味であること、もし、どうしてもこのスローガンを「ニッポン再生」のために叫んでゆきたいと思うなら、日本政府がバックとなって、「メイドインジャパン全製品永久保障」を打ち出せばいい。

 いざというときは国が一部金を出す。

 正直言って、それほどたいした金額にはならないだろう。(だって、信頼厚いメイドインジャパンなんだもーん)

 それぐらいのことをやらずに、ただ「モノづくり大国」を標榜し、いざ故障すると、「絶対というわけではありません」では誰の理解も得られないってことだ。