パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

富山県人は日本でもっとも信頼できる(?)

2006-09-23 11:37:49 | Weblog
 今朝の産経新聞一面に、国民年金加入者の56%が非正社員と無職者で占められ、その半数近くが年金掛け金を払っていないという社会保険庁による調査結果が報道されていた。
 そりゃあそうだろう。無職で毎月一万三千円を払い続けることなんてできるわけがない。

 それはそうとして、この記事はわからないことだらけだ。

 第一。国民年金加入者って誰のこと? 私はどっち? 私はかつて会社員だった(12、3年くらい)時に厚生年金に入っていたが、そこを辞めてからは、国民年金に入らなければいけないということは知っていたが、収入が不安定になったために掛け金は払ったことはない。したがって、当然、国民年金非加入者ということだと思うが、記事によると加入者の約31%が無職で、そのうち、掛け金を払っていない人が48%となっている。払っていないのに「加入者」? それとも、一度でも払ったことのある人は、その時点で「加入者」とされているのだろうか?

 第二。記事には、みずほ総研の研究員の談話として、「(今のままでは)給料から年金保険料が天引きされている会社員の不公平感が増し、年金不信に繋がる」と書かれていたが、掛け金を払っていなくても年金をもらえるの? 払っていない人は、当然、年金はもらえないものと思っていると思うけど……。

 第三。とはいえ、社会保険庁のHPなどを見ると、「年金制度は、現在働いて収入のある元気な人が、もう働けなくなった老人の生活を支えてあげようという、助け合い精神によるもの」といったことが書いてある。ということは、いずれ私も、雀の涙ほどだろうが、年金をもらえるのかな?  それとも、私は、多分非国民年金加入者に分類されていると思うので、やはりもらえないのだろうか。

 第四。しかし、私は会社員時代に、会社負担分もふくめれば、少なくとも100万以上の掛け金を保険庁に納めている。この金はどうなっちゃうのだろう。保険庁の宣伝する「年金制度の助け合い精神」からすれば、老人に支払われている(あるいはすでに支払われた)ことになる。だとしたら、私にも年金を受け取る資格はあっていいことになる。さもなければ、私の払ったお金は社会保険庁に「有り難く頂戴」されただけになるが、こんなことは民間会社だったら許されるはずがない。ところが、これが、役所の場合は大いにあり得たりする。以前、保険庁のノンキャリアの元トップが書いた国民年金擁護の論陣を張った本を参考のために読んだことがあるが、「富山県は日本でもっとも年金未払者が少ないので、富山県人は信頼できる」なんて書いてあった。いかにも、キャリアの使用人でしかないノンキャリアらしい言葉だと思ったものだが、こんなセンスだからね~、役人は信頼できんのよ。

 結論。マスコミはこの辺の事実関係はわかっているのだろうから、ちゃんとわかるように説明してくれよ。お願いだー!