時期が時期だから、フルタイムでダイビングができるとは限らない。だから空いた時間に街を徘徊しようと思いEOSを手荷物でぶら下げていった。それは正解であり、実際初日は宜野湾でダイビングだったので時間が余った。那覇市内の古い民家はmapに記載されているわけではないので自分の足で探すほかない。早速そんな古い民家と路地の一角をみつけた。この民家の横の道を上がると狭い路地のある古い街区につながる。撮影できないぐらいの狭隘な古い路地だった。
那覇の街は戦後の空気が残る退廃した都市景観の画像が記憶に残る。東松照明や森山大道といったフォトグラファー達の影響だろうか。だが今そんな光景は皆無に等しい。やはり那覇は現代都市であり、その隙間に僅かに古民家が点在している程度なのだ。
そんな戦後風景の一つであった農連市場も再開発ビルが建ち、古い市場の姿がなくなろうとしている。再開発前に訪れたときは、もう開発間近の時期であったから市場の活気は失せていたが、それでもほんの僅かに戦後の風景を私のブログでも記録していた(2015年10月28日番外編秋がない!、同年8月21日キリコのシュールな絵画、同8月20日沖縄暮らし)。このブログの僅かな時間でも撮影した風景はすでに過去形になっており、都市景観が変わる速度が早い。
そして沖縄県の単身者世帯数が家族世帯数を上回ったことを新聞は報じていた。実際私のダイビングでも愛知県から赴任してきたという単身者と遭遇した。本土から移り住む人たちが多く人口が増えている数少ない県だ。同様の傾向を持っている東京の頂点を目指そうとする人達とは、あきらかに志向性の違う人達が集まる沖縄県だ。私もダイビングをしなかったら、沖縄の街に関心をもたなかっただろう。
街歩きに水中機材をそのまま使えば荷物も少なくすむのだが、わざわざ重いEOSを持ってゆくこの自己矛盾。多分心地よいシャッター音に撮ったという実感を感じるのかな。なんだ!、単に機材マニアが街歩きしているだけか。そういう機材の心地よさというサプライズがないと退屈する那覇の街歩きです。
那覇市桶川
EOS1Ds Mark3,EF16-35mm/F2.8L USM
ISO400,焦点距離22mm,露出補正-0.3,f/9,1/400
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