Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング300. 小説:小樽の翆231. 幕間14. イラストの失敗作

2020年11月11日 | Sensual novel

 

 このイラストシリーズも三ヶ月目に入ってしまった。

 ブログテーマの冬枯れで始めた虚構の世界のお話も、コロナ禍で外出自粛が加わり、家にこもってイラストの勉強に精を出さざるを得ないはめになった。

おかげでダイビングも撮影もせず、40年ぶりぐらいで再開した透明水彩絵具でイラストを描き続けると日々になった。

 ただし外へ出られないので、モチーフをみてスケッチすることはかなわず、2度の小樽と取材とWEB画像を参考にしながら、想像デッサンをする他なかった。そんな描き方も、むしろ現実社会に縛られないので、自由度があってよいと思っている。

 コロナ禍だからこそ、そこは意地になってイラストを続けようと思う。少なくともコロナで外出自粛を迫られている間ぐらいは・・・。

 いつもイラストを描くとき、美しいことを念頭に置いているが・・・。

が・・・なのである。というのも透明水彩は、美大受験の時に勉強したきりだから、技法なんかとっくに忘れており、思い出しつつ、思い出せなく、練習しつつ、効果なく、のブログである。だから失敗もある。

 そこで、アップしたイラストと、没にした失敗イラストとを並べてみた。マックのイラストレーターで描けば失敗しても修正は容易だが、手描きイラストは着彩してしまうと修正ができないから書き直しとなる。そんな例を以下に4例あげた。

 

1.失敗して未アップ

  図1の左側は「ドローイング217.小説:小樽の翆231.ズトラーストシヴィ(2020年8月20日)」でアップさせた画像であり、右側は、その前に描いた画像だ。

 未アップの理由は、彩色の考え方を間違え、修正しようとしたら、当初のイメージからドンドン離れてゆき、最後はパンクな顔立ちにしてしまえと救済策を試みたが、やはり小説のイラストにするのには無理があった。よって描き直し。

図1. 左側アップ画像、右側没画像

 

2.空間の設定が語りすぎ

 図2は、「ドローイング227.小説:小樽の翆158.満月の時(2020年8月30日)」でアップさせた画像が左側、右側はアップ前に描いた画像だ。

 このシリーズでセックスの場面を描くのは最初だった。四十八手のWEB画像などをみたがポンチ絵では参考にならないし、アダルト画像もAV俳優らの画像では、わからないところが多すぎる。といってこちらも、そんな画像のストックがない。だから下書きからデッサンを描き起こしたので、手間のかかった画像だ。

 没画像は、人里離れた廃寺のお堂の中で逢引き、小説の見出しにある満月という設定を正直に描いた。しかしあまりにも正直すぎて面白くない。よって描き直し。文中に登場する小春が、扉の隙間からのぞいた光景の方がイラストになりそうだ。そこで立てスリット状の構図になった。

 この頃線描きだったから、試みにブルーのラインペンを使用してみた。ブルーペンで描いた画像を、コピーするとブルーの線が都合良く消えるからだ。だがスキャナーでは、正直に出てしまった。昔の技法は使えない。

 

図2. 左側アップ像、右側没画像

 

3.最初から書き直し

 図3は、「ドローイング300.小説:小樽の翆223芋煮会(2020年11月3日)」の画像であり、左側がアップ画像、右側が没画像である。人数も多く、まして料理があるから、描くのには時間がかかる。細かい描写なので線描きとしている。

 下書き段階で右側の画像をかいたのだが、どうも寂しい空気だ。みんなちんまりと座っているだけじゃないか。それでは暗いパーティーになってしまうし、小説のポリシーに反する。

 そこで下書きから再度書き直し、着彩したのが左のアップ画像だ。ようやく少し賑わいが出たと思われる。こんなケースの場合、一人一人の動作にもう少しストーリー性を加味すれば、更に面白くなるが、それは考えるだけで大変であり、ここでは時間切れ。

 

図3. 左側アップ画像、右側没画像

 

4.模写では、今一、だから描き直した

 図4は、「ドローイング265.小説:小樽の翆196女達の時間(2020年10月7日)」の画像である。左側がアップ画像、右側が没画像。

 レスビアンをテーマにしているから、私のストックにそんなものはなく、そこでWEBの撮影画像から、これなら美しいだろうという画像をひっぱりだした。この画像を模写しイラスト化してみた。

 イラストにすると美ボディ女、二人のセックスシーンが、どこかチンケでちゃっちい感じがした。つまり美ボディ二つを描くわけだから安易な方法ではなく、本格的にデッサンするか、あるいは他の方法を考える必要がありそうだ。

 そこで、レスビアンのシンボルマークを探していたら、LGBT(トランスジェンダー)を意味する6色のレインボーカラーがあった。ならば女同士が抱き合っている姿にトランスジェンダーのシンボルカラー風を配して抽象的表現にし、イラストレーターで描き直した。

 このとき、レスビアンのセックスシーンは模写ではなく、真面目にデッサンからかきおこした方が絵になると思われた。

図4. 左側アップ画像、右側没画像

 

5.具象的に描くか、抽象的に描くか

 図5は、「ドローイング273.小説:小樽の翆204.小春の決行日(2020年10月15日)」、左側がアップ画像、右側が下書き画像。テキストは、なんでも書けるが、はて!、小学生同士のセックスのビジュアルだって!?。自分で書いた小説のテキストにも呆れるが、実際そんなのは、さすがにアダルトサイトでも画像はない。ならば小学生のボディサイズを手がかりにつくるほかない。

 さて課題は、具象的に描くか、少し抽象化して描くかだが、抽象化の方が何枚も下書きを作成し、その中から1枚選ぶといった作業が必要なので時間がかかる。迷っていたら、参考になりそうな着衣の画像をWEB上でみつけたので、これを手がかりに模写して時間節約とし、具象化表現にした。

図5. 左側アップ画像、右側下書き画像

 

6.描写について

 小説である以上人間が登場する。当初は裸婦のクロッキーデッサンが大量に手元にあるから、これを使えばよいと考えていた。だがモデルのポーズは、日常の自然なポーズではないことは前述した。

 そこで意図するポーズの、人体デッサンを白紙から繰り返して描いてブログ画像としている事が多い。これは正解であるが、見たことがない、モデルのいない、シーンを描くのは時間がかかる。

 そこでWEB上のフリー画像を参照する場合もある。これを元に描きおこしたほうが早い。しかし撮影画像からの描きおこしは、レンズやライティングによっては、イラスト化すると人体の形の不鮮明箇所があったり、遠近感で歪んでいたりする。イラストでは陰で見えないところも描く場合があるからだ。それにしても画像って、ほんと作り物だなと実感させられる。

 だから漫画家達のようにモデルがいなくても、人体デッサンを繰り返し描きながら早描きできるように、目下私も練習中。ドローイング練習のために、ブログを書いているといってもよいか。

 そんなわけで、街を歩くと人体観察に眼がゆく。ゆったりした着衣でも、必ずボディの一部が表出するから、それをつないで身体全体のボリュームを見定め、裸体はこうだろうと頭の中でデッサンをしている。

 大学時代に勉強した芸用解剖学を復習しつつ、100m先から若いお姉ちゃんが向かってくれば、頭の中でデッサンを繰り返しつつ、骨盤の大きさや身体から、プロポーションや大腿部の太さを類推しながら近づいてくると、頭のなかに裸体のイメージができあがる。あとはツンとすまして、すれ違いざまに乳房の大きさでも確認、後ろ姿で大臀筋の形を確認して、オオッ皮下脂肪が少ない美尻だとわかると、裸婦にすれば大体こんな体型だなと理解して、すれ違う。

 時には、iPadを抱え、マックで珈琲を飲みながら、眼前のお姉ちゃん達のボディを描いていることもある。そんな訓練をしつつの、ブログ描きだ。

 そんなことをしていると、まわりから危険人物とみられそうだ。高々オンナのボディでしょ。フィジカルに観察している。

コメント
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