みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #115

2017年11月12日 | コーヒーブレイク
第2ペテロ1章3節~4節
というのは
私たちをご自身の栄光と徳によってお召しになった方を
私たちが知ったことによって
主イエスの神としての御力は
いのちと敬虔に関するすべてのことを私たちに与えるからです
その栄光と徳によって
尊いすばらしい約束が私たちに与えられました
それはあなたがたがその約束のゆえに
世にある欲のもたらす滅びを免れ
神のご性質にあずかる者となるためです

非常に分かりづらい文章。

こういう場合、誤訳だらけの日本語訳をいくら眺めても埒が明かない。


According as his divine power
hath given unto us all things
that pertain unto life and godliness
through the knowledge of him
that hath called us to glory and virtue
Whereby are given unto us
exceeding great and precious promises
that by these ye might be partakers of the divine nature
having escaped the corruption
that is in the world through lust
(KJV)

この複雑な文章を理解するため、まず手始めに先行詞を修飾している形容詞節を消去してみよう。

すると

According as his divine power
given unto us all things
through the knowledge of him
given unto us
exceeding great and precious promises
partakers of the divine nature
having escaped the corruption

このように簡略化される。

神のパワー(デュナミス)に従って
我々に与えられたすべて
神の知恵によって
我々のために与えられた
余りある偉大で貴重な約束
神のご性質の継承者
堕落から免れた

これで、かなりすっきりしてきた。

この聖句を理解する上で大事なポイントは次の箇所。

>私たちが知ったことによって

「私たちが知った」とあるが、原典にはそのように書いてはいない。誤訳だ。

δια της επιγνωσεως του καλεσαντος ημας

我々を召し出したお方の知識(知恵)によって

つまり、神の知識であって、私たちの知識ではない。

以下、さらに具体的に読み解いていく。

我々にすべてを与えてくれたのは、神のパワー(デュナミス)。

我々に与えられたすべてとは、永遠の命と敬虔の奥義。

加えて、我々が得たものは何か。

神のご性質の継承者という特権と、欲に汚れ堕落したこの世からの救出。




Coffee Break, #114

2017年11月01日 | コーヒーブレイク
コロサイ3章2節
あなたがたは
地上のものを思わず
天にあるものを思いなさい

間の抜けたような訳。天と地の対比があるのにまるでワクワク感がない。

原典にはどう書いてあるのか検討してみたい。

「思う」と訳している単語はφρονέωで、意味は

φρονέω:
From G5424; to exercise the mind, that is, entertain or have a sentiment or opinion; by implication to be (mentally) disposed (more or less earnestly in a certain direction); intensively to interest oneself in (with concern or obedience): - set the affection on, (be) care (-ful), (be like-, + be of one, + be of the same, + let this) mind (-ed, regard, savour, think.

最初にto exercise the mindと書いてある。この単語以前に考察したことがある。

Coffee Break, #72

要するに

キリストのマインドを持て

ということだった。

さて、この聖句において、この単語はどのような使われ方をしているのだろうか。intensively to interest oneselfとある。この訳が良さそうだ。つまり、(興味のあまりに)「熱中する」「没頭する」「のめり込む」。

コロサイ3:2
地上の事々にではなく
天の事々に熱中せよ

主のマインドを修得し、フェイスを自在に操り、この地を制圧することに没頭する。
これが、キリスト者の、王であり祭司たる所以だ。