みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #141

2018年01月04日 | コーヒーブレイク
第2テモテ2章3節
キリスト・イエスのりっぱな兵士として
私と苦しみをともにしてください

「私と苦しみをともにする」と書いてある。

霊的な内容とは言えないが、念のため投稿しておく。

英語訳を見てみる。


Thou therefore endure hardness
as a good soldier of Jesus Christ
(KJV)

上のKJV訳を見ると「私とともに(with meなど)」という語句がない。

異本があるのだ。

例によって、Biblehubを開いてみると

2つの異なる写本があることを確認できる。

同2:3
συνκακοπάθησον・・・
(Westcott and Hort 1881など)

もう一つは

同2:3
συ ουν κακοπαθησον・・・
(Scrivener's Textus Receptus 1894など)

信頼できない写本が上段Westcott and Hort 1881などの写本で、信頼できる写本が下のTextus Receptusなどの写本だ。

何処が違うのか。

下の写本の文頭は、3つの単語συ、ουν、κακοπαθησονから構成されている。

しかるに、上の写本は、ουνがなくて、συνとκακοπαθησονの合成動詞1語συνκακοπάθησονから始まっている。

συは「あなた(2人称主格単数)」という意味を持つ単語。ουνは接続詞で、「それ故」という意味を持つ。κακοπαθέωは「患難を耐える」という意味の単語で、過去命令形2人称単数で使われている。

συνは、with(~とともに)という意味を持つ前置詞で、動詞の接頭語として使うと合成動詞を形成する。意味は「ともに~する」。上の例で言えば、συνκακοπάθησονで、ともに(συν)苦しむ(κακοπάθησον)という意味になる。

我々はWestcott and Hort 1881などは信頼できないとする立場であるので、下の写本を採用する。従って、この箇所の意味は「私とともに苦しむ」ではなく

あなた(συ)は、それ故(ουν)、患難を耐えなさい(κακοπαθησον)

となる。

第2テモテ2:3
それ故
あなたは患難に耐えよ
イエスキリストの有能な戦士として