日曜日、フィットネスクラブの帰りに妻を蕎麦屋に誘った。つい先日の8月1日に開店したばかりの店だ。フィットネスクラブで知り合った人(Tさん)が7月に定年退職したが、第二の人生を趣味の蕎麦打ちを本業にすべく、オーナー兼料理長として店を開いたのだ。Tさんはサウナできちんとルールを守っている礼儀正しい人で、以心伝心で仲良くなった。製薬会社の営業系の仕事であったが、走ることが好きで、博多の祇園山笠にわざわざ出向いて山をかついでいるほどだ。
店は個人の家を借りて店舗として使っており、座敷や離れに食卓(飯台)を置いているだけの簡素なものであったが、上品な雰囲気で、いかにも女性好みの料亭風に仕上がっていた。玄関には祝開店の花などが立ち並んでおり、水を打った玉石や土間は涼しげで気持ちよかった。
Tさんは白い割烹着、白いエプロンにねじり鉢巻していた。フィットネスクラブで見かける姿とは違って、すっかり店の主となっていた。気恥ずかしげなところがまだ初々しかった。
落ち着いた離れに通されて腰を落ち着けると、奥さん(らしき人が)が品書きと麦茶を持ってきた。妻は奥さんをどこかで見たようだとしきりに考えている。オーダーは迷ったが、結局私が好きな盛り(ざる)蕎麦とてんぷら+ビールを注文した。この店の味が正直に分かるメニューと思ったからでもある。
携帯で写した。古い機種なので性能が悪い。雰囲気だけを汲み取ってください!
旦那(Tさん)が改めて挨拶に来たので開店のお祝いを述べた。妻が思い出したのか、奥さんとブラバンの保護者会で逢ったのではないか、というとやはりそうだったようで、奥さんも覚えていたようだった。Tさんの娘は我が年子の娘二人の1級上で、今日は手伝いに来ているとのことで挨拶に顔を出した。中学校の部活で上の子がクラリネット、下の子はフルートをして、県大会まではクリアするのだが全国大会にはとうとう行けなかった。
手打ち蕎麦は人によって評価が分かれるところであるが、腰があっておいしかった。てんぷらは今ひとつの感もあったが、暑い盛りの日中であり、仕方ないかも。15年前の話題で盛り上がってビールを2本も飲んでしまった。おかげで、午後の仕事(といっても父の見舞いだけだが)は取りやめて、ソファで昼寝しながらのんびりとゴルフのテレビ観戦しただけであった。
60歳で全く違う第二の人生を歩み始めたTさん、客商売は慣れてなく、ぎこちないが家族で頑張っている姿を見ると順調に店が流行って欲しいと思う。娘に話すと、知っていると言う。今度は娘二人を連れてゆくことにしよう。