SITAR SWAMI

2008-11-13 01:43:48 | Dano Effects
良かれ悪しかれ、ダンエレクトロのエフェクターのイメージを決定づけたのが、筐体にペイントが施され、Dのロゴマークの代わりにピースマークをあしらったシリーズでしょう。便宜上60'sシリーズと呼ばれますが、文字通り60年代半ばから後半にかけてのサイケデリックなサウンドを再現したもので、ユニークな個性にあふれています。

ヒゲを伸ばしたグルのペイントがとぼけた雰囲気を醸しだしているSITAR SWAMIは文字通りシタールのシミュレーターですが、その評価は極めて低く、おそらくは使えないエフェクターの最高峰に位置するものと思われます。ネット上で散見されるレビューなど見ても、誰もが口を揃えてこれはシタールの音ではないと言い、まったく使えないと言います。

しかしながら、このペダルは中古市場において最も人気の高い機種の一つでもあります。それは筐体のユニークさもさることながら、唯一無二であり、しかも使えないエフェクターであるというところがコレクターの必須アイテムと化してしまったということでしょう。

このSITAR SWAMIがどのようなエフェクターなのかと言えば、様々なエフェクターの要素を集約したものだと言うことができます。具体的に言えば、ピッチシフターあるいはオクターヴァーによって高域を強調し、かつ低音を加え、ディレイによる残響とフランジャーによるうねりによって、シタールの弦が共鳴することによるドローン効果を再現しようとしています。そしてそれだけではまだ不足しているサスティンと音が波打つように跳ねる感じをスライドバーを使って弾くことで補おうというわけです。確かにこのようなエフェクターは他にないと言えます。

このエフェクターがなぜ使えないのかは、試しに持っているエフェクターをすべてつなぎ、すべてを一斉にオンにしてギターを弾いてみたときのことを想像すればいいでしょう。そのサウンドはカオス状態になり、収拾不可能となるでしょう。もちろん、一つ一つのエフェクターを、全体のバランスを考えながら調整することでどうにか使える音にすることは可能でしょうが、SITAR SWAMIにはLEVELとEQの2つのツマミしかありません。

SITAR SWAMI単体であれば、シタール風なサウンドを出すことはできますが、やはりシタールそのものの音とは隔たりがあります。また、歪み系のペダルと合わせようとすると、フランジャー成分がジェットサウンドになってうねりだすので、シタールのシミュレーターというよりはノイズ発生装置と考えたほうが妥当なような気がします。
なかなか使い道が見つからないのですが、SITAR SWAMIは持っているだけでも満足感を与えてくれる不思議なペダルです。
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2 コメント

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sitar swami (ラリー)
2015-01-12 20:09:21
おひさしぶりです。遅ればせながらこの
エフェクターを手に入れましたが、自分が一番
「もつべきではないか」と思える唯一無二の
エフェクターでした。そして改めてだのじゃんの
レビューの質の高さを感じました。

僕はたぶん今までもったエフェクターの中で
これが一番だと思います。

第一印象;ただのフランジャーじゃん
第二印象;うわ、なんだこのオクターバーみたいな
第三印象;オクターバーよりピッチが正確?!

ということでした。
これから定番でエフェクターボードには
マストアイテムになろうかと思います。

今年は東京にライブ一度はいきたいと
思っています。タイミングがあいましたら是非。

進化しております。

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Unknown (たくろ)
2015-01-12 21:05:53
ラリーさんお久しぶりです。
Sitar Swamiをとうとう手に入れられたとのこと、
おめでとうございます。
誰もが持て余しがちなこのエフェクターを一番
だというラリーさん、流石です。
これを使ってラリーさんがどんな音を出すのか
楽しみです。東京でライブがあるときはまた声
をかけてください。
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