動画で楽しむDano(419)

2024-01-17 19:02:23 | Dano Movies(洋)
The Move | I Can Hear the Grass Grow (Live, 1966)


ザ・ムーヴは1965年、バーミンガムで結成された。中心となったメンバーは「目にした楽器はすべてマスターする」こととした男、ロイ・ウッドである。彼はマルチ・プレイヤーとして知られているが、彼以外のメンバーである、カール・ウェイン、トレヴァー・バートン、エース・ケフォード、ベヴ・ベヴァンらも、バーミンガムですでにバンド活動をしていて、全員がすぐれた演奏能力を持ち、リード・ボーカルを担うことができた。

ザ・ムーヴは結成当初はザ・フーのようなグループになることを目指していて、モータウンやロックンロールを演奏し、その後、バーズのようなアメリカ西海岸の音楽を演奏するようになっていった。そんな彼らは同じバーミンガム出身のバンドであるムーディー・ブルースのマネージャーをしているトニー・セクンダとマネジメント契約をし、ロンドンへ進出、ザ・フーの後釜としてマーキークラブで毎週演奏する仕事を得ることとなった。トニーはロイ・ウッドにもっとオリジナリティのある楽曲を書くよう要求し、その結果生まれたポップでキャッチーな楽曲の数々はイギリスのヒットチャートを賑わすこととなった。しかし、どういうわけかアメリカでは受け入れられず、アメリカでの、さらには全世界的な成功はザ・ムーヴ解散後の発展形としてのエレクトリック・ライト・オーケストラを待たねばならない。もっとも、そのときにはロイ・ウッドはバンドを去っていたのだが。

さて、上の動画は、「X」のタイムラインに流れてきたもので、私はザ・ムーヴがダンエレクトロを使用していたことなどまるで知らなかったので驚いてしまった。おそらくはトレヴァー・バートンらしき人物がダンエレクトロの3021を弾いている。トレヴァーさんはザ・ムーヴに加入する前はダニー・キング・アンド・メイフェア・セットというグループに在籍していたそう。このバンドはシングルを数枚リリースしたが、それらはバーミンガム以外で知られることはなかったという。

この動画で演奏されているのは「I Can Hear the Grass Grow」という楽曲で、これは彼らの2枚目のシングルである。このタイトルの由来が興味深いのだが、トニー・セクンダとも交流のあった写真家でフランク・ザッパやローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイといったロックスターを撮影したこともあるロバート・デヴィッドソンが見知らぬ男から受け取った手紙に書いてあったというのである。「私がラジオでポップ・ミュージックを聴いているわけは、私の住んでいるところが草が伸びる音が聞こえてくるくらいひっそりと静かだからなんだ」

この曲はドラッグソングだと言われることが多く、本人はそれを否定していたそうだが、そう言われるのも無理はないと思うけどね。
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